学術の社会的連携・協力推進事業
University-Industry Research Cooperation Societally Applied Scientific Linkage and Collaboration放射線の利用と生体影響第195委員会
放射線の利用は多方面で進んでおり、特に医療では診断・治療の両面で欠くことのできない重要な技術です。また、放射線は細胞を破壊する力を利用して滅菌や食品の保存に使われたり、透過性を利用して非破壊検査に使われたりしています。一方、放射線の生体への影響については、疫学、動物実験、細胞実験などの各分野において様々な研究が行われてきています。本委員会は、放射線の生体影響について科学的に、エビデンスに基づいて議論することが重要であると考え、学術的には、放射線の生体影響に関して科学的に議論するための分野横断的組織の中心となること、産業界との関連では、科学に基づく知見から、放射線の利用に関する規則等に関して提言を行うことを目的としています。国連が掲げ、多くの国が賛同している持続可能な開発目標(SDGs)のいくつかは、放射線利用技術によって達成されますが、その持続可能性の議論は科学に支えられたものでなくてはなりません。放射線の生体影響は、複雑な問題ですが常に科学的アプローチで探求が行われているべきです。簡単に答えがでる問題ではありませんがベネフィットとリスクに関して科学的なアプローチが常に進められるべきです。
1.放射線の生体への影響に関する研究
(ア) 生物実験データの収集・整理
(イ) 数理的アプローチによる機序の理解
2.放射線の医学利用に関する研究
(イ) 数理的アプローチによる機序の理解
(ア) 診断における利用
(イ) 治療における利用
3.放射線と社会のかかわりに関する研究
(イ) 治療における利用
(ア) 放射線の積極利用における科学に基づく定量化
(イ) 放射線の受動的影響に対する科学に基づく定量化
(イ) 放射線の受動的影響に対する科学に基づく定量化
米倉 義晴 大阪大学放射線科学基盤機構 特任教授
平成31年4月1日~令和6年3月31日(5年間)