小野元之 前理事長
平成15年10月1日就任
日本学術振興会は、平成15年10月に独立行政法人として新たにスタートし、我が国の学術振興を担う中核機関として、科学研究費補助金、研究者養成及び学術の国際交流など、研究者の自主性や創造性を尊重した学術の進展に資する研究支援事業を幅広く実施してまいりました。
特に、ファンディングエージェンシーとして公平で公正な審査・評価を実施するため、プログラムディレクター、プログラムオフィサー制度としての学術システム研究センターを充実するとともに、科学研究費補助金の審査委員の選考方法の改善や特別研究員の審査制度の見直しなどさまざまな改革を行いました。
また、我が国ではこれまでに例のなかった人文学、社会科学及び自然科学の全分野を対象とした若手研究者に対する顕彰制度として「日本学術振興会賞」を創設するなど新たな事業も積極的に展開しています。
さらに、今年からは21世紀COEプログラムで培った経験を生かし、「魅力ある大学院教育」イニシアティブの審査・評価業務も実施するなど、引き続き大学改革に対しても側面から支援してまいります。
21世紀は知識基盤社会(Knowledge-based society)の時代といわれておりますが、我が国が世界をリードし続けていくための鍵は科学技術の振興であり、世界最高水準の「科学技術創造立国」の実現は政府の最重要政策ともなっています。
このようなとき、創造性豊かで多様な学術研究の振興を担う本会の役割はますます重要なものになっていると言えましょう。
今後とも独立行政法人としてのメリットを最大限に生かしながら、一層弾力的・効率的で透明性のある事業運営を行い、我が国の学術研究の進展に寄与するとともに、国内外の研究者や学術界から信頼される機関として発展していきたいと考えております。
引き続き皆様方の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。