日本学術振興会について

ごあいさつ

杉野剛理事長の写真

令和4(2022)年4月1日付で日本学術振興会の理事長に着任いたしました杉野剛です。どうぞよろしくお願いいたします。

学術研究は人類の知のフロンティアを開拓する営みです。さまざまな学問分野の研究によって創出され体系化された知は、人類文化の重要な資産として次世代に引き継がれるとともに新たな挑戦課題を提示します。たゆまざる学術研究のなかから、人類の福祉や地球規模の課題解決に資する新技術、社会を変革する新概念などが生み出されてきた歴史は、このような「知の循環」の重要性を教えています。また、学術研究による知の創出はイノベーションの源泉であり、国や社会を発展させて未来を拓く原動力です。そして、世界をリードする学術研究は、研究者一人ひとりの既存の枠にとらわれない自由な発想と、実現不可能と思われるような果敢な挑戦から生まれます。優れた知の創出と循環が絶え間なく行われるためには、その源泉である学術研究の振興、学術研究を担う人材の育成が今日ますます重要となっています。

日本学術振興会は、昭和天皇の御下賜金をもとに昭和7(1932)年に創設されました。その活動は、学術研究の助成、研究者の養成、学術に関する国際交流の促進、大学改革や大学のグローバル化の支援など多岐にわたり、学術の振興を図ることを目的とする我が国唯一の独立した資金配分機関(ファンディング・エージェンシー)として、研究者の活動を安定的・継続的に支えてきました。
  平成30 年度から始まった第4 期中期目標の5 年目を迎える今年度は、本中期目標のもと、①世界レベルの多様な知の創造、②知の開拓に挑戦する次世代の研究者の養成、③大学等の強みを生かした教育研究機能の強化、④強固な国際研究基盤の構築、⑤総合的な学術情報分析基盤の構築の5 本の柱を基盤に、学術振興に不可欠な諸事業を積極的に実施しています。加えて、第4期中期目標の最終年度として、第4期中期計画の総括を行うことで、本会の見直しにも取り組んでまいります。

未だ猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、世界中に甚大な影響を与え、その影響は学術研究活動にも及びましたが、本会では、各種事業において可能な限り研究活動への影響や事務負担の増大が生じないよう、研究者に対する特例措置の設定や手続きの簡略化など、利用者の立場に立った柔軟な対応を行ってまいりました。
  人文学、社会科学から自然科学までのあらゆる分野にわたり、知の開拓に果敢に挑戦する研究者をしっかりと総合的に支えるためにも、引き続き研究者の視点に立って事業の改善や制度改革を不断に行うとともに、効率的かつ効果的な業務運営を遂行し、研究者の皆様が存分に活躍できる環境の醸成にまい進してまいります。そして、あらゆる分野の研究者や学術研究を志す方々はもとより、国民の皆様からの学術振興への期待に応え、世界に冠たる我が国の学術研究がさらに発展し、これからの時代に極めて重要となる「知」の力をもって世界への貢献を果たせるよう努めてまいります。
  皆様の御指導、御支援、御協力をお願い申し上げ、就任のごあいさつといたします。

令和4(2022)年4月
独立行政法人日本学術振興会 理事長

杉野 剛