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産学協力による国際シンポジウムの開発援助

国際シンポジウムの開催

 
「第5回アジアー太平洋ワイドギャップ半導体ワークショップ」
5th Asia-Pacific Workshop on Widegap Semiconductors

ワイドギャップ半導体光・電子デバイス第162委員会
 
1. 概要
日本学術振興会ワイドギャップ半導体光・電子デバイス第162委員会では、標記の国際シンポジウムを下記の概要で開催致しました。
  • 開催期間: 2010年5月24日(日)~26日(木)
  • 開催場所: 鳥羽国際ホテル (鳥羽市)
  • 発表件数:193件[口頭56,ポスター137]
  • 参加者:257名 [国内157 国外100 (韓国45,台湾30,中国17,その他8:米国,ポーランド,シンガポール等)]
  • 著名な海外参加者: Y. M .Chang (National Taiwan Univ., Taiwan),F. Jiang (Peking Univ., China),S. Keller (Univ. of California Santa Barbara, USA),S. W. Kim (Sungkyunkwan Univ., Korea),C. T. Lee (National Cheng Kung Univ., Taiwan),T. C. Lu (National Chiao Tung Univ. Taiwan),H. J. Lee,(Chonbuk National Univ., Korea),S. Porowski (UNIPRESS, Poland),Y. K. Su (National Cheng Kung Univ., Taiwan),X. Q. Wang (Peking Univ., China),C. Wetzel (Rensselaer Polytech Inst., USA.),Y. M. Yu (Pukyung National Univ., Korea),G. Zhan (Peking Univ., Chiba) 他
  • 予算総額: 19,864千円
    (学振負担額1,700千円を含む)

2. 実施内容・成果および成果公開について
窒化物AlGaInN系半導体やZnO等の酸化物半導体,SiC等炭化物やダイヤモンドは,大きなエネルギーバンドギャップ,高い飽和電子速度,高い絶縁破壊電界強度,無害元素であること等の優れた特徴を持ち,可視から紫外域のLED・レーザダイオードや大電力・高周波電子デバイス等に応用が図られ,一部では実用化がなされている。更に近年,環境調和や省エネルギー等のグリーンテクノロジー応用分野でこれらの材料の重要性が認識されてきた。本会議は,ワイドギャップ系材料・デバイスの科学・応用技術に関する最先端の研究成果と最新情報をアジア・環太平洋諸国の代表的研究者が一堂に会して報告・討議し,この地域の研究機関・企業の情報交換と協力関係を発展させ,科学技術における課題解決の基盤を構築することを目的とした。本会議は,日本学術振興会第162委員会が主催した初回会議(平成14年)の後,台湾,韓国,中国と隔年で開催が継続され,今回が5回目となった。主な発表分野を下記に示す。

表 口頭発表の主なテーマと発表件数
口頭発表 (56件)  
光デバイスおよび応用分野  
21
結晶成長および物性評価  
16
ナノ構造  
5
酸化亜鉛  
4
電子デバイス  
5
エネルギー関連  
5

基調講演には,関心の高い話題である「ワイドギャップ半導体の自動車応用」(T.Kachi, Toyota Central R&D Lab., Japan),「GaNバルク単結晶成長の歴史と最新状況」(S. Porowski, UNIPRESS, Poland),「GaN系電子デバイス」(S.Keller, Univ. of California Santa Barbara, USA),「LEDの照明や植栽,海洋産業への応用技術」(Y.M.Yu,Pukyung National Univ., Korea), 「緑色レーザの開発状況」(T.Nakamura, Sumitomo Electric Ind. Ltd., Japan) が取り上げられた。口頭講演のテーマは「GaN系レーザ」,「LED」,「結晶成長と物性評価」,「ナノ構造」,「酸化亜鉛系」,「電子デバイス」,「InN」,「AlGaN系材料とデバイス」であり,それぞれ招待講演と一般講演で構成され,参加者が最新の研究成果を俯瞰できるよう工夫がなされた。ポスターセッションでは,各所で熱心な議論が行われた。特に,窒化物半導体の基礎物性,GaNバルク単結晶成長技術,SiCの結晶成長,紫外線LED,緑色半導体レーザ,青~緑色LEDのドループ現象(電流の増加に伴い発光効率が低下する現象)の理解と抑制技術,AlGaN系電子デバイス,InNの結晶成長と物性評価,窒化物や酸化物ナノ結晶デバイス,窒化物太陽電池,ZnO系LEDなどでは基礎研究から新技術まで広い範囲にわたる研究成果が報告され,活発な議論が行われた。今回の会議では,基礎的分野から応用まで広く世界の先端的研究結果が報告・議論され,参加者の点ではアジア・太平洋圏諸国以外からの参加者が増えたことにより,世界的な英知を集結することができた。これらの講演内容は380ページにおよぶアブストラクト集としてまとめられ,日本学術振興会の各産学協力研究会委員長に寄贈され,広く関連の研究・開発に従事する方々が参考にできるよう取り計らった。

3. 今後の課題について
次回は2013年に台湾で開催される予定である。また,これまで主要開催地となりうる参加国は,日本,中国,韓国,台湾の4カ国であったが、次回よりこれにシンガポールが加わることとなった。ワイドギャップ半導体は,光・電子両デバイスにおいて実用化が益々進められる一方で,デバイス特性の向上や新規機能デバイスの提案等の点で,基礎研究に対する期待は大きく,種々のワイドギャプ半導体について基礎から応用までを俯瞰する本ワークショップの使命は大きいと思われる。

4. まとめ
本会議は、「ワイドギャップ半導体」という主題を掲げることによって、窒化物、酸化物など材料やデバイスの種類にとらわれずに研究成果を発表し議論できるという特色を有し、世界的に認められる会議になったと感じられる。
東日本大震災から間もない時期の開催であったが、キャンセルも少なく、アジアを中心とした多くの国々を代表する研究者が一堂に会してワイドギャップ半導体に関する最新の研究成果が深く議論された。各国の研究者間のコミュニケーションが活発に行われ、相互理解と情報交換の機会が提供され、ワイドギャップ半導体分野の更なる進展に資する多くの成果が得られた。
最後になりましたが、本会議の開催にあたり、日本学術振興会から多大なるご支援を頂きました。ここに深く感謝の意を表します。

写真1. Porowski 教授による基調講演   写真2. 活発なポスターセッションの様子
写真1.   Porowski 教授による基調講演   写真2.   活発なポスターセッションの様子

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