「学術の社会的協力・連携の推進」に関する問い合わせ先
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| 「第24回アモルファス・ナノ結晶半導体国際会議」 | ||
| 24th International Conference on Amorphous and Nanocrystalline Semiconductors (ICANS24) | ||
| 1. 概要 日本学術振興会「アモルファス・ナノ材料第147委員会」では、標記の国際シンポジウムを以下のような概要で開催しました。
2. 実施内容・成果および成果公開について 本会議は、「能舞台」におけるJan Kocka教授 (Academy of Science, Czech)の “The Mott Lecture”と名付けられた会議唯一のプレナリー講演より開始しました。この講演では、微結晶シリコンのキャリア輸送と構造欠陥等の関連について、20年余の歴史から現在に亘るホットな話題が提供されました。口頭発表は、3部屋のパラレルセション形式で、精選された13件の招待講演を織り交ぜながら行なわれ、活発な討論が交わされました。また、ポスター発表は、会期中2回、口頭発表セッション後に行われ、本会議では恒例となっている軽食・飲み物を片手の自由闊達な議論が展開されました(写真1)。多くの参加者から、会議運営も科学技術的内容も完璧であったとの評価を頂きました。
なお、講演領域としては、本会議創設当時からのシリコン系が54%の割合を占め、カルコゲナイド系17%、酸化物系15%となっていて、最近の会議で新たに組み込まれた有機物系が9%、炭素系5%と本会議の新領域として存在感を示していました。シリコン系では、薄膜太陽電池関連の製膜プロセス制御、薄膜光電物性やデバイス最適化技術をテーマにした発表が大半を占め、また、カルコゲナイド系ではDVD記録メディアに関連する相変化現象、酸化物系や有機物系では透明・フレクシブルエレクトロニクスを取り扱ったものが目立っていまいした。なお、いわゆる古典的エレクトロニクスの枠を超えて、アモルファス・ナノ半導体に特有な量子・スピン効果を活用した次世代デバイス応用を見据えた材料基礎研究の進展も顕著となっていたと言えます。
本会議では、講演者の発表論文は厳密な審査を経て、プロシーディングスにまとめて公開予定で、Journal of Non-Crystalline Solid誌の特別号として発刊されます。 3. 今後の課題について 本会議では「アモルファス・ナノ材料第147委員会」が取り扱う様々な材料の中で、半導体系に特化したものですが、原子構造および電子的特性の観点から多くの類似点を有する異種材料系を総括して取り上げることによって、各領域専門家間の相互理解や次世代を担う新科学技術創成への啓発に寄与できたものと思います。今後の国際シンポジウム等開催においては、このような方向性をより発展させて、アモルファス・ナノ材料の産業界へのさらなる貢献を目指して、学界のみならず産業界委員が、より一層連携し、トピックス講演やセッションを企画できるような場を提供していくことが望ましいと考えています。
4. まとめ 本国際会議は、隔年に各国持ち回りで開催されるもので、日本では、第10回(1983年、東京)、そして第16回(1995年、神戸)に継ぎ、3回目で「アモルファス・ナノ材料第147委員会」の主催により開催されました。第16回神戸会議は、阪神淡路大震災から6ヶ月後の復興半ばの開催にも関わらず、世界各国から多くの研究者・技術者が参加し、我々を勇気づけてくれました。今回は、それにも増して過酷な状況に直面し、開催中止の直前まで追い込まれましたが、本会議国際諮問委員の方々から「皆を引き連れて行くから開催すべきだ」との暖かい激励を受け、予定通りに開催することになりました。幕を開いてみると、かなりの参加・講演辞退が出ましたが、総参加者297名中、海外から150名と、ほぼ半数の参加をいただきました(写真2)。そのおかげで、奈良という古都において、科学技術のみならず、文化という側面でも、有意義な国際交流ができたものと考えております。また、参加者の約4割を占めた若手研究者・学生諸氏に対しても、将来に向けた貴重な体験の場を提供できたものとも思っております。
会議運営にあたっては、そのほとんどを「アモルファス・ナノ材料第147委員会」委員が担当しましたが、一部、結晶系材料・デバイスをご専門とする方々の協力をいただきました。その異分野運営委員の方々も、特にポスターセッションでは、積極的に議論・討論に参加され、異分野だからこそ、お互いに学ぶものが大きかったと感じております。最後になりますが、本会議の開催にあたり、日本学術振興会から多大なるご支援を頂きました。この困難な時期に、財政破綻に陥ることなく、有意義な会議を開催できましたことは、日本学術振興会からの多大なるご支援の賜物で、ここに深く感謝の意を表します。
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