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産学協力による国際シンポジウムの開発援助

国際シンポジウムの開催

 
「分子ナノテクノロジーの展開」
Development of Molecular Nanotechnology 

分子ナノテクノロジー第174委員会
 
1. 概要
日本学術振興会・分子ナノテクノロジー第174委員会主催の国際シンポジウムを以下のような概要で開催した。
  • 開催期間:2010年12月1日(水)~2日(木)
  • 開催場所:奈良県新公会堂
  • 参加人数:108名〔日本87名、国外21名(内米国10名、韓国5名、スウェーデン1名、ドイツ1名、フランス1名、スイス1名、中国1名、インド1名)
  • 著名な海外参加者:F.Stoddart(ノースウエスタン大)、M.Niederberger(ETHチューリッヒ)、H.Schlaad(マックスプランク研究所)、F.-G. Tournilhac(ESPCI)、C.Y. Li(ドレクセル大学)、L. Dai(ケイスウエスタンリザーブ大)、Bo Monemar(リンショーピン大)、K.W. Leong(デューク大)、K.J. Wynne(バージニア州立大学)、S.I. Stupp(ノースウエスタン大) I.K. Kang(大邱国立大)
  • 予算総額:8,410千円(独立行政法人日本学術振興会負担額1,800千円を含む)。

2. 実施内容・成果および成果公開について
第174委員会の研究テーマが、ナノデバイス工学、ナノハイブリッド材料、ナノバイオマテリアルの3分野を柱とし、それらの相互作用と融合による新規な科学技術分野の発展を目標としていることに鑑み、本シンポジウムにおいては、主題が緩やかな匂配をもって、3分野をカバーするようにプログラムを設定した。そして第2期5年間の研究成果を総括すると共に、世界的な視野で分子ナノテクノロジー研究の動向を把握することを試みた。そのため、表1に示すように、Plenary Lectureを初日と2日目に1件ずつ設け、3分野のKeynote Lectureを1件ずつ2日間にわたって設置し、当該分野のSession Lectureを配置した。

表1 テーマと発表件数
プレナリー
:2
  光発色性結晶と分子器械
1
  積層型メカノステレオ化学系
1
キーノート
:3
  電子伝導性ナノファイバー
1
  スマートミセルとベシクル
1
  細胞のトポグラフ応答
1
セッション
:13
  ナノ電子デバイス
4
  ナノハイブリッド集合体
7
  細胞機能制御材料
2
ポスター
:23
            発表件数合計 41

第1日目は、入江正浩教授のPlenary Lecture「ジアリールエテン結晶の光発色性に基づく分子器械の創成」で開始された。S.I. Stupp教授のKeynote Lecture「生体活性で電子伝導性ナノファイバー」に続いて4件のSession Lectureが行われた。
第2日目は、Stoddart教授のPlenary Lecture「積層型機械的立体化学システムを用いる機能材料の創成」で開始された(写真1参照)。この講演でStoddart教授は、“分子および拡張構造の成分が、弱い非共有結合あるいは動的な配位結合や共有結合の結果として、相互に動的に作用しあう様式で機械的にからみ合ったり立体的に制限を受けるような状態の化学”を「Mechanostereochemistry」と定義した。この概念は従来の分子化学や超分子化学の概念とは一線を画するものであり、分子ナノテクノロジーの新しい基本として重要である。片岡一則教授のKeynote Lecture「PEG-ポリペプチドブロックコポリマーのスマートミセルおよびベシクルの遺伝子および薬剤送達用ナノキャリヤーとしての利用」に続いて7件のSession Lectureが行われた。さらに、K.W. Leong教授のKeynote Lecture「基板からの指示に対する細胞の応答」に続いて2件のSession Lectureが、行われた。
若手研究者の育成の目標に沿って、若手研究者によるポスター研究発表を公募し、23件の応募を得た。外国人講演者10名に研究内容の予稿、3分間の口頭説明、そしてポスター発表を総合して格づけを行ってもらい、上位5件を優秀ポスター賞として表彰した(写真2参照)。
2010年が開催地奈良の平城京遷都1300年記念の年に当たることに関連して、また、奈良が当時の人物と文化の世界的交流の要路であったシルクロードの東端の都市であったことに鑑み、邦楽演奏グループ「邦希星」による演奏を行った。
曲目は萬葉集に収められた短歌の情景をイメージするもので、日本人の心情や情緒を伝えるものであった。
本シンポジウムの運営にあたっては、奈良県ビジターズビューローから種々の助言や提案を頂き、そのいくつかを採り上げた。例えば、外国人講演者には「鹿寄せ」を楽しんでもらい、懇親会おいてはフルートアンサンブル“ナラノフエ”による依頼演奏や、地元酒造メーカーによる「利き酒」を行って大好評であった。会期中は好天気と温暖な天候に恵まれ、参加者一同には晩秋の古都奈良の幽邃な雰囲気を味わってもらえたと確信する(写真3)。
研究成果はプロシーディングスとして刊行する。

写真1 Stoddart教授のプレナリー講演
写真1 Stoddart教授のプレナリー講演
  写真2 ポスター発表会場
写真2 ポスター発表会場
 
       
写真3 集合写真
写真3 集合写真
     

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