日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_田中 元雅
田中 元雅
(タナカ モトマサ)
TANAKA Motomasa



生年 1971年 出身地 京都府
現職 理化学研究所脳科学総合研究センター チームリーダー
(Team Leader, Brain Science Institute, RIKEN)
専門分野 構造神経科学
略歴
1994年 京都大学工学部卒
1996年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
1996年 日本学術振興会特別研究員-DC
1999年 京都大学大学院工学研究科博士課程修了
1999年 博士(工学)の学位取得(京都大学)
1999年 理化学研究所脳科学総合研究センター基礎科学特別研究員
2002年 カリフォルニア大学サンフランシスコ校博士研究員
2003年 日本学術振興会海外特別研究員
2005年 科学技術振興機構さきがけ研究員
2006年 理化学研究所脳科学総合研究センターユニットリーダー
2011年 理化学研究所脳科学総合研究センターチームリーダー(現在に至る)
授賞理由
「タンパク質のミスフォールディングがもたらす生命現象の解明」
(Understanding Biological Phenomena Caused by Protein Misfolding and Aggregation)
  神経変性疾患は極めて難治な疾患であり、その病態解明を通じた発症予防及び治療法の確立が切望されている。田中元雅氏は、神経変性疾患の中でタンパク質の異常凝集によって発症するポリグルタミン病とプリオン病に関する研究分野で、タンパク質が間違った立体構造を取る分子メカニズムおよびその異常凝集がもたらす生理的影響の解明に一貫して取り組み、優れた業績をあげた。
  酵母のプリオンを用いて、「プリオン感染におけるタンパク質オンリー仮説」の証明に貢献しただけではなく、酵母の新規プリオンMod5を同定し、従来の概念を覆すプリオンの新たな生理機能をも発見した。また、ヒトのタンパク質ハンチンチンのポリグルタミン鎖が伸長することによって、脳の様々な領域において異なる構造をもつアミロイドを形成し、それが細胞毒性の違いをもたらすことを解明した。加えて、ハンチンチンの凝集を阻害する薬剤を発見し、ハンチントン病モデルマウスを用いてその治療効果の有効性も示した。
  田中氏の業績は極めて創造性に富むものであり、今後の研究者としての大いなる展開を強く期待させるものである。

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