日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_井上 彰
井上 彰
(イノウエ アキラ)
INOUE Akira



生年 1971年 出身地 秋田県
現職 東北大学病院臨床試験推進センター 特任准教授
(Associate Professor, Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital)
専門分野 呼吸器内科、肺がんの臨床研究
略歴
1995年 秋田大学医学部卒
1998年 東北大学加齢医学研究所附属病院医員
1998年 国立がんセンター中央病院内科レジデント
2001年 国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター臨床医学審査官
2002年 東北大学病院遺伝子呼吸器内科医員
2003年 東北大学病院遺伝子呼吸器内科助手
2007年 東北大学病院呼吸器内科助教
2007年 博士(医学)の学位取得(東北大学) 
2012年 東北大学病院臨床試験推進センター特任准教授(現在に至る)
授賞理由
「進行肺がんに対する分子標的薬を用いた肺がん個別化治療の開発」
(Individualized Treatment for Advanced Lung Cancer with Molecular Targeting Agents)
  井上彰氏は、癌治療で現在注目されている分子標的薬の一つであるEGFR阻害剤ゲフィチニブが、進行性肺がん治療において重篤な副作用を示した臨床例を最初に報告し、分子標的薬の副作用リスクを検討する重要性を示した。一方で、EGFR遺伝子変異の有無を事前に確認することで、肺がん患者へのゲフィチニブの治療効果が格段に高まることを明らかにし、肺がんの個別化治療の有効性を示した。特に、EGFR遺伝子変異を持つ非小細胞肺癌患者に最初に投与すべき治療薬として、ゲフィチニブが有効であることを明らかにした功績は大きい。現在進行中のゲフィチニブと新規抗癌剤の併用療法等の開発においても、大きな成果が期待できる。
  臨床試験は多施設共同で行われるものであるが、この開発研究において、同氏は具体的な研究・実施計画の立案者として独創性を発揮し、研究推進を牽引してきている。井上氏の業績は、今後の研究者としての大いなる展開を強く期待させるものである。

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