日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_中西 賢次
中西 賢次
(ナカニシ ケンジ)
NAKANISHI Kenji



生年 1973年 出身地 三重県
現職 京都大学大学院理学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Science, Kyoto University)
専門分野 函数方程式論
略歴
1996年 東京大学理学部卒
1998年 東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了
1998年 日本学術振興会特別研究員-DC
1999年 東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了(在学期間短縮)
1999年 博士(数理科学)の学位取得(東京大学)
1999年 神戸大学理学部助手
2001年 日本学術振興会海外特別研究員
2001年 名古屋大学大学院多元数理科学研究科助教授
2005年 京都大学大学院理学研究科助教授
2007年 京都大学大学院理学研究科准教授(現在に至る)
授賞理由
「エネルギー凝縮と非線形波動・分散型方程式の非線形散乱理論」
(Energy Concentration and Nonlinear Scattering Theory for Nonlinear Wave and Dispersive Equations)
  非線形波動・分散型方程式は、非線形波動現象を記述するモデル方程式として、数理物理の様々な局面で用いられる重要な非線形発展方程式のクラスであるが、数学的に厳密に扱うことが困難な対象である。
  中西賢次氏は、この分野の未解決重要問題を矢継ぎ早に解決している卓越したプロブレム・ソルバーである。1985年以来の難問であった、1、2次元非線形散乱理論の解決を皮切りに、非線形相互作用により生じるエネルギー凝縮を解析する手法を開発し、解の漸近挙動の解析に大きな貢献をした。また、マクスウェル・ディラック方程式のエネルギー空間での解の存在と一意性問題を解決した。そして、非線形シュレディンガー方程式や非線形クライン・ゴルドン方程式において、不安定な基底状態の近傍にある解の大局的挙動を決定した。近年も、ザハロフ系の散乱理論を証明するなど研究の進展が著しい。
  今後も、中西氏はこの分野の世界的な第一人者として、更なる活躍が期待される。

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