日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_及川 勝成
及川 勝成
(オイカワ カツナリ)
OIKAWA Katsunari



生年 1968年 出身地 宮城県
現職 東北大学大学院工学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Engineering, Tohoku University)
専門分野 金属組織学
略歴
1991年 東北大学工学部卒
1993年 東北大学大学院工学研究科修士課程修了
1996年 東北大学大学院工学研究科博士課程修了
1996年 博士(工学)の学位取得(東北大学)
1996年 通商産業省工業技術院(現:産業技術総合研究所)研究官
2001年 産業技術総合研究所基礎素材研究部門主任研究員
2005年 東北大学大学院工学研究科助教授
2007年 東北大学大学院工学研究科准教授(現在に至る)
授賞理由
「計算熱力学に基づく多元系状態図とそれに基づく新材料創製」
(Phase Diagrams Using Computational Thermodynamic and Its Application for New Alloy Development)
  金属材料の特性はナノ・ミクロ組織に大きく依存し、精緻な組織制御が材料開発には不可欠であるが、多元系材料設計における「羅針盤」とも言える合金状態図を、実験のみで得ることは困難であった。
  及川勝成氏は最新のナノ解析システムと熱分析システムを用いた実験的手法により、未解明領域での合金状態図を高精度に決定した。さらに、少ない実験データから、目的とする合金系の物性を計算熱力学に基づくシミュレーションで予測し、状態図全体を数値計算で求め、特に実験困難な領域での状態図の予測を可能にした。このような独自の手法で構築した合金状態図に基づき、新規な材料を世界に先駆けて開発した。例えば、硫化物分散型の新たな鉛フリー快削鋼の開発や、磁場の付加で通常材料の10倍以上の変形を示す磁性形状記憶合金の開発に成功した。
  及川氏は材料科学の基礎研究と創造性に富んだ新規材料開発を行い、世界をリードする研究者として今後の活躍が大いに期待される。

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る