日本学術振興会賞

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第9回(平成24年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_隠岐 さや香
隠岐 さや香
(オキ サヤカ)
OKI Sayaka



生年 1975年 出身地 東京都
現職 広島大学大学院総合科学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University)
専門分野 科学技術史
略歴
1998年 東京大学教養学部卒
2000年 東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了
2000年 日本学術振興会特別研究員-DC
2001年 パリ社会科学高等研究院留学
2005年 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位修得退学
2005年 日本学術振興会特別研究員-PD
2005年 フランス国立人口学研究所客員研究員
2008年 博士(学術)の学位取得(東京大学)
2008年 青山女子短期大学非常勤講師
2008年 東京大学大学院総合文化研究科特任研究員
2009年 玉川大学脳科学研究所グローバルCOE研究員
2010年 広島大学大学院総合科学研究科准教授 (現在に至る)
授賞理由
「パリ王立科学アカデミーを中心とした18世紀フランスの科学技術史的、社会史的研究」
(A Study on the French Royal Academy of Science from the Viewpoints of History of Science and Technology and Social History)
  隠岐さや香氏の業績は、18世紀のフランスにおける「アカデミー」(学士院)における科学活動、科学者共同体、社会制度、政治動向の相互関係のさまざまな局面について、未調査の文書館資料等を利用して実証的に解明し、科学的、技術的専門知識の担い手、実践家としての「専門家」が社会的に一定の位置を占めるようになる複雑な過程を解明したことである。
  主著『科学アカデミーと「有用な科学」』では、18世紀のパリ王立科学アカデミーを対象として、そこに集った科学者たちと外界との間の関係および、1780年代にそれまでの政治的・経済的姿勢からアカデミーが脱却し社会的関与に転じていった点を、「エコノミー」という問題に着目して論じている。科学と国家の関わりという新たな観点からヨーロッパ近代に光を当てて、科学史・思想史と社会史・政治史とを巡る歴史研究になっている。
  今後、科学・科学者と社会との関係という観点からの研究は、社会史、思想史分野の枠を越えて、学際的インパクトをもち、将来の人文学研究全体の可能性を示すものと期待される。

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