日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_髙谷 直樹
髙谷 直樹
(タカヤ ナオキ)
TAKAYA Naoki



生年 1968年 出身地 東京都
現職 筑波大学生命環境系 教授
(Professor, Faculty of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba)
専門分野 微生物学、生化学
略歴
1991年 東京大学農学部卒
1993年 東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了
1995年 日本学術振興会特別研究員-DC
1996年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了
1996年 博士(農学)の学位取得(東京大学)
1996年 筑波大学応用生物化学系助手
2000年 筑波大学応用生物化学系講師
2004年 筑波大学大学院生命環境科学研究科講師
2007年 筑波大学大学院生命環境科学研究科准教授
2011年 筑波大学生命環境系教授(現在に至る)

授賞理由
「糸状菌の多様な電子伝達反応系の発見と機構解明」
(Diversity of Electron-Transferring Systems in Filamentous Fungi)
 醸造食品や酵素剤、抗生物質などの医薬品生産に利用される糸状菌は一般的に酸素呼吸によってエネルギーを維持すると考えられていた。
 髙谷直樹氏は、糸状菌が酸素欠乏条件下で、有機物の酸化に伴いATPとともに生成するピルビン酸が分岐アミノ酸に還元される「分岐アミノ酸発酵」や硝酸イオンをアンモニウムに還元する「アンモニウム発酵」により酸素を用いずにエネルギーを維持するという全く新しいエネルギー代謝機構をもつことを世界で初めて発見した。これは酸素呼吸のみでエネルギーを維持するという真核生物の常識を覆す画期的な成果である。さらに、元素状イオウの新規な還元反応系を発見し、その分子機構の解明にも成功した。
 髙谷氏の業績は、糸状菌を含む真核生物の環境変化に応答・適応する多様な電子伝達反応と分子機構に関する新しい概念を示しただけでなく、バイオテクノロジー分野の発展にもつながる重要なもので、応用研究への展開も大いに期待される。

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