日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_稲葉 謙次
稲葉 謙次
(イナバ ケンジ)
INABA Kenji



生年 1970年 出身地 京都府
現職 九州大学生体防御医学研究所 准教授
(Associate Professor, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University)
専門分野 構造生物学、生化学
略歴
1993年 京都大学理学部卒
1995年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
1997年 日本学術振興会特別研究員-DC(1998年からPD)
1998年 京都大学大学院工学研究科博士課程修了
1998年 博士(工学)の学位取得(京都大学)
1998年 英国分子生物学研究所博士研究員
1999年 日本学術振興会特別研究員-PD
2000年 京都大学ウイルス研究所博士研究員
2001年 科学技術振興機構さきがけ21専任研究員
2005年 科学技術振興機構CREST研究員
2006年 九州大学生体防御医学研究所特任准教授
2011年 九州大学生体防御医学研究所准教授(現在に至る)

授賞理由
「タンパク質の品質管理に関わるジスルフィド結合形成・開裂システムの解明」
(Clarification of Disulfide Linkage and Cleavage Systems Involved in Quality Control of Cellular Proteins)
 生命機能の主役であるタンパク質は、しばしば「ジスルフィド結合」と呼ばれる補強構造を分子内にもつことで構造を安定させ、適正な機能を発揮する。一方、不要となったタンパク質や異常タンパク質を分解する「品質管理」においては、これを開裂する働きが必要となる。稲葉謙次氏は、まず原核生物において、ジスルフィド結合形成を担うタンパク質の結晶構造と結合が作られるようすを明らかにした。続いて、より複雑な真核生物において、ジスルフィド結合を作り出す酵素の結晶構造とそれが自らの活性を制御する仕組みを、また異常タンパク質の分解に関わるタンパク質の結晶構造とそれらが他の因子と連携しつつ異常タンパク質のジスルフィド結合を開裂する仕組みを明らかにした。
 稲葉氏は、このように細胞生物学の重要な問題を構造生物学的アプローチで解明する重要な成果をあげた。その研究業績は高く評価されており、今後の発展が期待される。

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