日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_田中 貴浩
田中 貴浩
(タナカ タカヒロ)
TANAKA Takahiro



生年 1968年 出身地 大阪府
現職 京都大学基礎物理学研究所 教授
(Professor, Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University)
専門分野 相対論、宇宙論
略歴
1990年 京都大学理学部卒
1992年 京都大学大学院理学研究科修士課程修了
1993年 日本学術振興会特別研究員-DC
1995年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了
1995年 博士(理学)の学位取得(京都大学)
1995年 日本学術振興会特別研究員-PD
1995年 大阪大学大学院理学研究科助手
2000年 京都大学基礎物理学研究所助教授
2003年 京都大学大学院理学研究科助教授
2007年 京都大学大学院理学研究科准教授
2008年 京都大学基礎物理学研究所教授(現在に至る)

授賞理由
「ブレーン重力の研究」
(Gravity of Brane-World)
 時空の物理学はアインシュタインによる一般相対性理論に始まり、その古典的な意味での正しさは、観測によりすでに証明されている。一方、弦理論の新宇宙論によると、時空は4次元を越える高次元であり、その中のブレーンと呼ばれる膜的なオブジェクトこそが我々の住む4次元時空であることが予言されている。
 田中貴浩氏はこのような現代的な新宇宙論の展開を一気に進めた。4次元を越える時空内にブレーンがあるとすれば、重力はブレーン外部の次元を通って伝搬できる。その結果、ブレーン内部で観測される重力はアインシュタイン理論からずれる。同氏は、新たに開発した摂動的な計算方法をブレーン模型に適用し、このずれを正確に与えた。これは、外部次元の存在の証拠を観測的につかまえるための定量的な方法を初めて与えたという意味で、歴史に残る業績である。
 田中氏は、将来の宇宙論、重力分野の旗手となり、更なる貢献が期待される。

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