日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_高井 研
高井 研
(タカイ ケン)
TAKAI Ken



生年 1969年 出身地 京都府
現職 海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域 プログラムディレクター
(Program Director, Institute of Biogeosciences, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)
専門分野 地球生物学
略歴
1992年 京都大学農学部卒
1994年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
1997年 京都大学大学院農学研究科博士課程修了
1997年 博士(農学)の学位取得(京都大学)
1997年 日本学術振興会特別研究員-PD
1997年 科学技術振興事業団科学技術特別研究員
1998年 米国パシフィックノースウエスト国立研究所博士研究員
2000年 海洋科学技術センター(現:海洋研究開発機構)研究員
2005年 海洋研究開発機構プログラムディレクター (現在に至る)

授賞理由
「極限環境微生物の探索と生態系駆動原理の解明、および地球-生命初期進化研究への展開」
(Study on the Extremobiosphere Driven by the Principal Biogeochemical Interactions, the Limits of Life and the Early Evolution of Life in the Earth)
 この地球に、いつ、どのようにして生命が誕生し、どのような進化過程を経て現在に至ったのか、これらの問いに答えるため、高井研氏は極限環境状態に生息する微生物の研究を行ってきた。その成果は以下のように多岐にわたる。
 1)深海熱水環境下における微生物群集を多数採集し、遺伝的・系統的多様性を明らかにした。2)実験室内で極限環境下の微生物培養に初めて成功した。3)高温、高pH環境下で生育する微生物を発見し、地球における生命活動条件の限界を大きく拡張した。4)深海熱水環境下の生物活動は周辺海水の化学環境に依存し、その化学環境は熱水の量や温度など、地質学的環境に依存することを示した。5)地球における生命の誕生と初期進化には、地質・化学環境の成り立ちが決定的に重要であるとの仮説を提唱し、そのプロセスの実証化研究の道を切り開いた。
 高井氏の研究は微生物学研究と地質学・地球化学との融合分野を開拓したものであり、今後国際的にこの分野のリーダーとして活躍することが期待される。

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