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日本学術振興会賞

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_桑木野 幸司
桑木野 幸司
(クワキノ コウジ)
KUWAKINO Koji



生年 1975年 出身地 静岡県
現職 大阪大学大学院文学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Letters, Osaka University)
専門分野 西洋美術・建築・都市史
略歴
1997年 千葉大学工学部卒
1999年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
2004年 ピサ大学文学部美術史学科留学
2005年 東京大学大学院工学系研究科博士課程単位修得退学
2006年 日本学術振興会特別研究員- PD
2007年 博士(文学)の学位取得(ピサ大学)
2009年 フィレンツェ美術史研究所研究生
2011年 大阪大学大学院文学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「近代イタリアの記憶術と建築空間における視覚的表象の問題」
(Issues in Mnemonics and Visual Representation of Architectural Space in Modern Italy)
 桑木野幸司氏は、16世紀後半イタリアの庭園、建築、都市に対し、西洋近代初期における記憶術を背景として、知識を視覚的に表象し情報を操作する仮想空間という観点から分析を行なった。イタリア所蔵の原典と公刊資料を駆使して得た実証的成果を、日本語、イタリア語で公表し、建築史から思想史に至る広範な貢献をした。
 同氏の研究は、最初建築学の教育を受け、その後原典批判を含む人文学的な訓練を受けることによって可能となった学際的な関心に基づくものであり、特に、従来の記憶術研究で一般に受け入れられていた二次元的配置を越え、空間的把握の可能性に着眼したことは優れた点である。さらに、同氏の研究は、氾濫する過剰な量の情報への適切な対応という現代的課題への示唆を、文物の流入によって情報が氾濫したこの時期のイタリアの経験から得ようとしており、情報学と人文学との融合を目指すという点でも示唆的である。
 桑木野氏は、これらの学際的といえる研究を実現しつつ、情報の氾濫への現代的対応という優れた問題意識をもち、実証的な研究成果によって国際的な脈絡のなかで影響力を発揮しており、今後の更なる活躍が期待される。

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