日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_葛山 智久
葛山 智久
(クズヤマ トモヒサ)
KUZUYAMA Tomohisa



生年 1966年 出身地 神奈川県
現職 東京大学生物生産工学研究センター 准教授
(Associate Professor, Biotechnology Research Center, The University of Tokyo)
専門分野 天然物化学
略歴
1990年 東京大学農学部卒
1992年 東京大学大学院農学系研究科修士課程修了
1994年 日本学術振興会特別研究員-DC
1995年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了
1995年 博士(農学)の学位取得(東京大学)
1995年 東京大学分子細胞生物学研究所助手
2004年 東京大学生物生産工学研究センター助教授
2007年 東京大学生物生産工学研究センター准教授(現在に至る)

授賞理由
「微生物の多様なテルペノイド生合成機構の解明」
(Diversity in Microbial Terpenoid Biosynthetic Pathways)
 抗生物質などの有用な天然有機化合物を構成するテルペノイドの生合成経路は、メバロン酸を介すると考えられてきたが、近年、細菌や植物では異なる経路の関与が示唆されていた。しかしその実態のほとんどは不明であった。
 葛山智久氏は、この新しいテルペノイド生合成経路であるMEP経路について、その前駆体を合成するための4段階の反応を司る酵素遺伝子を世界に先駆けて同定し、その経路の全貌解明に大きく貢献した。また抗菌活性と抗マラリア活性を示すホスミドマイシンがMEP経路に特異的な阻害剤であることも見出した。メバロン酸経路についても、生合成遺伝子群の発見や、機能未知遺伝子の機能解明に成功し、さらには触媒酵素の結晶構造の解析によりタンパク質の新しい立体構造モデルを提唱した。
 同氏の業績は、テルペノイド生合成研究において世界をリードする研究であり、有用薬剤の開発にもつながる重要なもので、応用研究への展開も大いに期待される。

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