日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_上田 泰己
上田 泰己
(ウエダ ヒロキ)
UEDA Hiroki



生年 1975年 出身地 福岡県
現職 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター プロジェクトリーダー
(Project Leader, Center for Developmental Biology, RIKEN)
専門分野 遺伝子ネットワーク
略歴
1997年 ソニーコンピュータサイエンス研究所研究アシスタント
1998年 ERATO北野プロジェクト研究アシスタント
1998年 山之内製薬研究アシスタント
2000年 東京大学医学部卒
2004年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了
2004年 博士(医学)の学位取得(東京大学)
2003年 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターチームリーダー
2009年 理化学研究所発生・再生科学総合研究センタープロジェクトリーダー(現在に至る)

授賞理由
「哺乳類概日時計システムの設計原理の解明」
(Understanding of Design Principles in Mammalian Circadian Clocks)
 地球上で生活する多くの生物には約1日の周期をもつ時計が内在している。例えば、植物が朝に花を開いて受粉に備え、ヒトは朝に覚醒し夜に眠る。このような約1日の周期をもつ時計は概日時計と呼ばれ、その周期は約24時間で温度には依存しない。上田泰己氏は、マウスやヒトの細胞を用いてこの概日時計を構成する遺伝子ネットワークの設計原理を分子生物学と数理科学の手法を駆使して解明してきた。
 同氏は、哺乳類の概日時計が、20個以上の時計遺伝子からなる精緻なネットワークを構成することで発振し、朝、昼、夜の3つのタイミングを作りだしていることを明らかにした。また、概日時計周期が温度に依存しないという性質が、特定の酵素の温度非依存性に由来することを示唆した。さらに、概日時計が停止する現象が個々の時計細胞の脱同調によることを解明した。同氏の業績は、独創性に富み、この分野の研究をリードするものである。上田氏の研究は、睡眠障害・時差症候群(時差ぼけ)や時間治療などをも視野にいれたものであり、今後の更なる発展が期待される。

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