日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第7回(平成22年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_山中 由里子
山中 由里子
(ヤマナカ ユリコ)
YAMANAKA Yuriko



生年 1966年 出身地 神奈川県
現職 人間文化研究機構国立民族学博物館 准教授
(Associate Professor, National Institutes for the Humanities, National Museum of Ethnology)
専門分野 比較文学比較文化
略歴
1998年 カラマズー大学フランス語・美術学部卒
1991年 東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了
1992年 日本学術振興会特別研究員-DC
1993年 東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退
1993年 東京大学東洋文化研究所助手
1994年 日本学術振興会海外特別研究員
1998年 国立民族学博物館助手
2007年 博士(学術)の学位取得(東京大学)
2009年 人間文化研究機構国立民族学博物館准教授(現在に至る)

授賞理由
「中世中東世界におけるアレクサンドロス大王像の比較文学比較文化研究」
(A Comparative Study of Alexander the Great’s Images in the Medieval Middle East)
 山中由里子氏はアレクサンドロス大王をめぐる多様な言説の歴史的展開の問題に取り組み、その言説をめぐるさまざまな伝承や風説こそが、それを生み出した時代の政治的、宗教的、イデオロギー的関心を反映していることを、比較文化史的に読みといてみせた。
 同氏は、アレクサンドロスをめぐる多様な言説が地域ごとにどのように形成されていったかを、ギリシア・ラテン語のみならず、パフラヴィー(中世ペルシャ)語・アラビア語・ペルシア語等の原典史料を駆使し、「アレクサンドロス物語」の生成と伝播の過程をたどりながら、明らかにした。このことを通じて、イスラーム古典期の知的営為、情報伝達の仕方、政治的背景を描き出して、イスラームの言説構築の流れを実証的に示してみせたのである。
 こうしたイスラーム世界におけるアレクサンドロス像の受容史的研究は、世界に例を見ず、その意欲的研究は今後も世界の学界に画期的知見をもたらすものと期待される。

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