日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_山下 俊英
山下 俊英
(ヤマシタ トシヒデ)
YAMASHITA Toshihide



生年 1964年 出身地 岡山県
現職 大阪大学大学院医学系研究科 教授
(Professor, Graduate School of Medicine, Osaka University)
専門分野 神経科学
略歴
1990年 大阪大学医学部卒
1997年 博士(医学)の学位取得(大阪大学)
1997年 大阪大学大学院医学系研究科助手
1999年 日本学術振興会海外特別研究員
2001年 大阪大学大学院医学研究科助教授
2003年 千葉大学大学院医学研究院教授
2007年 大阪大学大学院医学系研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「損傷中枢神経回路の再生と可塑性を制御する分子機構の解明」
(Molecular Mechanisms Regulating the Regeneration and Plasticity of Injured Central Nervous System)
 脳の虚血や外傷により中枢神経のネットワークが破壊されると、回復は困難となる。これらの疾患による神経症状からの回復を図るためには、神経回路損傷の分子機構を理解することが必要である。
 山下俊英氏は、この分子機構を世界に先駆けて明らかにした。同氏はこれまで機能が不明であったニューロトロフィン受容体であるp75が、細胞骨格の調節を介して軸索伸展を制御すること、また軸索の再生を阻害するタンパク質の受容体であることを解明し、p75が中枢神経再生阻害の中心的役割を果たしていることを明らかにした。一連の研究により、損傷された中枢神経がなぜ再生しないのかという古くからの疑問に回答を与えることとなった。さらに特筆すべきは、再生阻害のシグナル伝達を抑制することで、中枢神経疾患による神経症状を回復させうる薬剤を開発していることであり、極めて有望な中枢神経の再生治療薬として海外を含め各方面より注目を集めている。
 同氏の業績は、独創性に満ちた画期的なものであると同時に、近い将来の臨床応用まで視野にいれた実現可能性の高い研究であり、今後の更なる発展が期待される。

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