日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_東山 哲也
東山 哲也
(ヒガシヤマ テツヤ)
HIGASHIYAMA Tetsuya



生年 1971年 出身地 山形県
現職 名古屋大学大学院理学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Science, Nagoya University)
専門分野 顕微分子生物学
略歴
1994年 東京大学理学部卒
1996年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
1998年 日本学術振興会特別研究員-DC(1999年からPD)
1999年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了
1999年 博士(理学)の学位取得(東京大学)
1999年 東京大学大学院理学系研究科助手
2007年 名古屋大学大学院理学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「花粉管ガイダンスをはじめとした植物生殖の動態および分子機構の解明」
(Behavior and Molecular Mechanism of Plant Reproduction Commencing with Pollen Tube Guidance)
 植物の受精では、雌しべの柱頭についた花粉から伸びる花粉管が精細胞を雌しべの胚のうにある卵細胞に運ぶ「花粉管ガイダンス」が起こるが、その生物学的なメカニズムは長い間不明であった。
 東山哲也氏は、花粉管ガイダンスの分子生物学的なメカニズム(分子機構)を明らかにするために、トレニアと呼ばれる胚のうが一部突出している植物に注目し、人工環境で受精が生じる実験系を開発した。そして、レーザーで特定の組織を破壊することにより、胚のうの中で卵細胞の隣に位置する助細胞が花粉管を誘引する物質を分泌していることを明らかにした。さらに自らが開発した顕微注射装置と分子生物学的な手法を駆使することによって、この誘引物質を特定することにも成功した。
 同氏の研究業績は、生物学でよく用いられるシロイヌナズナなどのモデル植物やこれまでの実験技術によっては解析不可能だった生物学の根本課題の一つを、自らのアイデア、新しい材料の選択、独自の技術開発などで解決したものである。これらの先駆的成果は、基礎生物学を超えて、農学・医学分野への応用も拓くこととなり、今後の更なる研究の発展が期待される。

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