日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_東原 和成
東原 和成
(トウハラ カズシゲ)
TOUHARA Kazushige



生年 1966年 出身地 東京都
現職 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo)
専門分野 免疫学
略歴
1989年 東京大学農学部卒
1993年 ニューヨーク州立大学博士課程修了
1993年 Ph.D.の学位取得(ニューヨーク州立大学)
1993年 デューク大学医学部博士研究員
1995年 東京大学医学部助手
1998年 神戸大学バイオシグナル研究センター助手
1999年 東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授
2007年 東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授
2009年 東京大学大学院農学生命科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「匂いやフェロモンを感知する嗅覚の分子メカニズムに関する研究」
(Studies on Molecular Mechanisms Underlying Odorant and Pheromone Reception)
 匂い物質や昆虫のフェロモンを感知する嗅覚センサーが存在することは、古くから想定されていたが、その実態は長い間不明であった。東原和成氏は、独創的な研究手法を駆使して、匂いやフェロモンセンサーとして働く受容体分子の同定および機能解析に成功した。さらに、匂いやフェロモンの受容体分子への結合様式と、そこから情報が伝達される仕組みを解明し、多様な匂いやフェロモンが高感度で感知され識別されるメカニズムを明らかにした。
 代表的な成果として、オスマウスの涙にメスの性行動を誘起するフェロモンが含まれ、その受容体がメスの鼻に存在することを発見したこと、また、昆虫の匂いやフェロモンの受容体分子は哺乳類のそれとは全く異なる構造と感知機構を持つ新規の受容体であることを明らかにしたことなどがある。
 これらの一連の研究成果は、嗅覚研究領域におけるブレークスルーであり、世界的に注目されている。天然物化学、細胞生物学、神経科学など幅広い生命科学基礎研究への貢献とともに、食と香り、害虫獣防御などで、食糧、環境に関する応用研究・開発への展開も期待される。

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