日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_白根 道子
白根 道子
(シラネ ミチコ)
SHIRANE Michiko



生年 1967年 出身地 滋賀県
現職 九州大学生体防御医学研究所 准教授
(Associate Professor, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University)
専門分野 分子・細胞神経科学
略歴
1990年 大阪大学理学部卒
1990年 日本ロシュ(株)研究所研究員
1999年 博士(薬学)の学位取得(東京大学)
2000年 日本学術振興会特別研究員-PD
2003年 九州大学21世紀COE上級研究員
2003年 科学技術振興機構さきがけ研究者
2004年 九州大学生体防御医学研究所助手
2006年 九州大学生体防御医学研究所助教授
2007年 九州大学生体防御医学研究所准教授(現在に至る)

授賞理由
「細胞内小胞輸送による神経機能の制御機構の解明」
(Regulation of Neuronal Function by Vesicular Trafficking)
 神経細胞の形は、他のどの細胞とも全く似ておらず特殊である。すなわち神経細胞は、遠く離れた別の細胞と接続し神経回路を作るという特別な機能のために、長い神経突起という特殊な構造を有している。神経突起が伸展する際には突起部分の細胞膜の表面積が増えるため、突起方向に膜成分を輸送供給する必要がある。
 白根道子氏は、神経突起方向へ膜成分を送る神経細胞内輸送システムの制御機構を解明した。すなわち新規タンパク質「プロトルーディン」を発見し、それが細胞内小胞輸送システムを制御する重要な役割を果たしていることを明らかにした。
 同氏の研究は、新たな機能タンパク質の発見と、その過剰発現系や遺伝子欠損マウスの樹立、および最新の解析技術により神経突起伸長という重要な生理機能の新たな分子機構を発見した点で特筆される。その後、プロトルーディンの異常が神経変性疾患の一病型の原因となることも明らかになり、同氏の研究が神経疾患の理解につながる重要なものであることが示されている。
 同氏の業績は、ほぼ独力でなされた極めて独創性の高い研究成果であり、神経機能の基礎研究から臨床医学に及ぶ幅広い分野において、今後の研究の更なる発展が大いに期待される。

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