日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_畠 賢治
畠 賢治
(ハタ ケンジ)
HATA Kenji



生年 1968年 出身地 岐阜県
現職 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター 研究チーム長
(Group Leader, Nanotube Research Center, Advanced Industrial Science and Technology)
専門分野 ナノテクノロジー、材料科学
略歴
1991年 東京大学工学部卒
1993年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1995年 日本学術振興会特別研究員-DC
1996年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
1996年 博士(工学)の学位取得(東京大学)
1996年 筑波大学先端学際領域研究センター助手
1998年 科学技術振興事業団ポストドクター研究員
2001年 ハーバード大学ポストドクター
2003年 産業技術総合研究所ナノカーボン研究センターポストドクター
2005年 産業技術総合研究所ナノカーボン研究センターナノカーボンチーム長
2008年 産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター研究チーム長(現在に至る)

授賞理由
「カーボンナノチューブ合成の基礎と用途開発への応用に関する研究」
(Research on Carbon Nanotube Syntheses and its Applications)
 カーボンナノチューブとは、直径0.7~70nm(ナノメートル)で長さが数十μm(マイクロメートル)程度の円筒の形をした炭素の結晶であり、半導体の新素材として期待されている。畠賢治氏は、直径が数nmの単層カーボンナノチューブの合成機構についての徹底した解明を試み、その成果に基づき、微量の水分添加という簡便な方法で、スーパーグロース法と呼ばれる高純度・高効率での合成法を開発した。また、シリコンなどの基板上に林のように方向を揃えて合成できることを応用して、様々なパターンや形態・構造を実現した。さらに、この新素材を用いて、電気二重層キャパシター、アクチュエータやフラットパネルディスプレーなどのデバイスに単層カーボンナノチューブを用いることで画期的な性能向上を実証した。
 このように、エレクトロニクスデバイスなどへの実用化にむけて数々の高機能デバイスの試作や評価を行ってきており、カーボンナノチューブの応用範囲を格段に広げる可能性を示した。また、サンプル供給を通じた国内外の研究機関との共同研究を進め、本分野の基礎および応用研究の発展に大きく寄与している。
 同氏の業績に基づき、カーボンナノチューブの工業的な量産と製品化の研究が進んでおり、今後、日本初のナノテク材料を中心とした、カーボンナノチューブ産業が立ち上がると期待される。

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