日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_菊地 和也
菊地 和也
(キクチ カズヤ)
KIKUCHI Kazuya



生年 1965年 出身地 富山県
現職 大阪大学大学院工学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering, Osaka University)
専門分野 ケミカルバイオロジー
略歴
1988年 東京大学薬学部卒
1990年 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了
1993年 日本学術振興会特別研究員-DC(1994年からPD)
1994年 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了
1994年 博士(薬学)の学位取得(東京大学)
1994年 カリフォルニア大学博士研究員
1995年 スクリプス研究所博士研究員
1997年 東京大学大学院薬学系研究科助手
2000年 東京大学大学院薬学系研究科助教授
2005年 大阪大学大学院工学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「生体内分子を可視化する化学プローブのデザイン・合成・生物応用の研究」
(Design, Synthesis and Biological Application of Chemical Probes, which Convert Biological Signals to Chemical Output)
 細胞内でどのような現象や反応が進行しているかを知ることは、基礎的な生物学研究のみならず、医療現場での診断や創薬においても非常に重要である。菊地和也氏は、蛍光プローブ分子を設計・合成し、実際に細胞内に導入して現象を可視化することでその効果を実証し、同分野の研究に大きな発展をもたらした。
 同氏は、蛍光分子はなぜ発光するかという理論からスタートし、それに基づいた低分子の蛍光プローブを化学合成し、細胞の機能を妨げることなく細胞内の小分子の出現や減衰の変化を経時的に可視化できるシステムを構築した。例えば、細胞内で様々な生理作用を有する一酸化窒素の可視化に世界で初めて成功している。また、生理条件では負イオンを検出できるプローブは少なかった。同氏は、酵素反応を効率的に検出する負イオン検出蛍光プローブの合成にも成功し、細胞内酵素反応を可視化している。
 同氏の業績は、化学、生化学、薬学、医学の分野において基礎的研究を応用研究や臨床研究の発展に結びつける上で多彩な貢献を果たすものであり、今後の更なる発展が期待される。

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