日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_川合 伸幸
川合 伸幸
(カワイ ノブユキ)
KAWAI Nobuyuki



生年 1966年 出身地 京都府
現職 名古屋大学大学院情報科学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Information Science, Nagoya University)
専門分野 比較認知心理学、認知科学
略歴
1990年 関西学院大学文学部卒
1992年 関西学院大学大学院文学研究科修士課程修了
1994年 日本学術振興会特別研究員-DC(1995年からPD)
1995年 関西学院大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学
1996年 日本学術振興会特別研究員-PD
1998年 博士(心理学)の学位取得(関西学院大学)
1999年 京都大学霊長類研究所講師
2001年 名古屋大学大学院人間情報学研究科助手
2004年 名古屋大学大学院情報科学研究科助教授
2007年 名古屋大学大学院情報科学研究科准教授
  (現在に至る)

授賞理由
「認知と学習の起源に関する比較認知心理学的研究」
(Comparative Psychology on the Origin of Cognition and Learning)
 川合伸幸氏は、知能と適応能力の基盤となる学習・記憶機構について、ヒトのみならず、様々な動物を用いた独創的で革新的な実験手法により、種間(系統発達)と種内(個体発達)の共通点と相違点を明らかにし、「認知と学習の起源」と「進化の産物としてのヒトの心」の解明に向けた、認知科学・比較心理学の発展に寄与する研究成果をもたらした。
 同氏は簡単な計算や会話等のあらゆる認知機能の基礎となる短期記憶能力をヒトとチンパンジーで調べ、チンパンジーに複数の数字を瞬間的に提示すると、ヒトの成人・児童と同様に約5個を記憶できるが、同じ数字をまとめて記憶できないことを明らかにし、ヒトの短期記憶能力の高度性の一特徴を解明した。他方、無脊椎動物のザリガニは危険を生得的・末梢的反射で回避するが、脳で新たな危険を学習することも発見し、哺乳類と共通の枠組みで学習できることを示した。さらに、チンパンジーの胎児が音を聴き分け、少なくとも生後2ヶ月後まで記憶していることを世界で初めて明らかにした。
 また、同氏はこうした研究の成果を一般向けの分かり易い書籍としても発表して、学術研究の成果を一般社会へ向けて発信する活動にも積極的に取り組んでいる。

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