日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第6回(平成21年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_依田 高典
依田 高典
(イダ タカノリ)
IDA Takanori



生年 1965年 出身地 新潟県
現職 京都大学大学院経済学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Economics, Kyoto University)
専門分野 情報通信経済学、医療経済学
略歴
1989年 京都大学経済学部卒
1992年 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了
1992年 日本学術振興会特別研究員-DC
1995年 京都大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学
1995年 甲南大学経済学部専任講師
1997年 博士(経済学)の学位取得(京都大学)
1997年 イリノイ大学経済学部客員研究員兼任
1998年 甲南大学経済学部助教授
2000年 京都大学大学院経済学研究科助教授
2001年 ケンブリッジ大学応用経済学部客員研究員兼任
2007年 京都大学大学院経済学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「情報及び健康に関する消費者選好の実証経済学的研究」
(Behavioral Economic Study of Consumer Preference on Information and Health)
 依田高典氏は、代替的通信手段に対する消費者選好の安定性を分析し、また、たばこのような健康危害的な財に対する依存症と選好の合理性との関連性を解明することで、情報及び健康の2分野において、革新的な行動経済学的研究を展開した。
 インターネットや携帯電話の普及にみられるように、情報通信産業は技術革新によって産業構造も消費者の選好も急速に変化したが、同氏の研究は緻密なデータ分析と理論的考察に基づき、この分野への規制政策を検証し、新しい政策の指針を策定するための学術的基盤の形成に大きく寄与した。また、健康の問題に関しては、喫煙行動に関する消費者の複雑な選好構造を解明するための新たな実験的調査法を開発して独自にデータを収集し、消費者の選好と喫煙習慣、ニコチン依存度との関係性を明らかにした。この研究成果は、最先端の計量モデルの発展という学術的な貢献にとどまらず、健康に害を与える財に対し、政府としてどのような政策手法をとることが社会的に望ましいかといった、政策的な課題に対しても大きな意義を有している。
 実際、これらの研究成果は総務省や厚生労働省の経済政策決定の判断データとして活用されている。また、同氏の研究は海外でも広くかつ大きな影響を与えており、行動経済学の学術的発展そのものに対しても大きく貢献している。

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