日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

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柳澤 純
(ヤナギサワ ジュン)
YANAGISAWA Junn



生年 1963年 出身地 東京都
現職 筑波大学先端学際領域研究センター 教授
(Professor, TARA center, University of Tsukuba)
専門分野 分子生物学
略歴
1987年 東京大学薬学部卒
1989年 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了
1992年 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了
1992年 博士(薬学)の学位取得(東京大学)
1992年 三菱化成総合研究所研究員
1993年 ラホヤ癌研究所博士研究員
1995年 コロンビア大学博士研究員
1996年 東京大学分子細胞生物学研究所助手
2002年 東京大学分子細胞生物学研究所助教授
2002年 筑波大学大学院生命環境科学研究科教授
2008年 筑波大学先端学際領域研究センター教授(現在に至る)

授賞理由
「細胞のエネルギー恒常性を調節する分子機構の研究」
(Study of the Molecular Mechanisms for Energy Homeostasis in cells)
 メタボリック症候群を例にとるまでもなく、体全体のエネルギーの出し入れは重要であるが、その基本になる一つ一つの細胞のエネルギーの量のコントロールについては良く分かっていない。アデノシン3リン酸(ATP)が細胞内の「エネルギー通貨」として重要なことはよく知られている。しかし、細胞内のエネルギーが減少した時、すなわちATPが減少したときに使用量を調節する機構は不明であった。
 柳澤純氏は、この問題に取り組み、ヌクレオメリチンという新規タンパク質の単離同定に成功した。そして、このタンパク質複合体が細胞内エネルギー量を感知し、エネルギーの恒常性を管理していることを明らかにし、さらにこの制御の破綻が細胞の死につながることを示した。
 同氏の細胞内エネルギー監視機構の発見は生物学的に重要なだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などによる細胞死の制御や癌細胞増殖の制御などの重要な疾患の新しい治療薬の開発にも発展することが期待される。

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