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日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_井上将行
井上 将行
(イノウエ マサユキ)
INOUE Masayuki



生年 1971年 出身地 東京都
現職 東京大学大学院薬学系研究科 教授
(Professor, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo)
専門分野 天然物合成化学、生物有機化学
略歴
1993年 東京大学理学部卒
1995年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
1995年 日本学術振興会特別研究員-DC
1998年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了
1998年 博士(理学)の学位取得(東京大学)
1998年 スローンケタリングがん研究所博士研究員
2000年 東北大学大学院理学研究科助手
2003年 東北大学大学院理学研究科講師
2004年 東北大学大学院理学研究科助教授
2007年 東京大学大学院薬学系研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「海洋環状ポリエーテル類の全合成研究」
(Total Syntheses of Marine Polycyclic Ethers)
 海洋生物特有の複雑な環状ポリエーテル構造を有する化合物の合成は、長年にわたって困難とされていた。井上将行氏は、独創的な方法を開発し、また合成の効率を飛躍的に高めることで、環状ポリエーテル構造を有する数々の化合物の全合成を可能とした。
 同氏は特に、代表的な環状ポリエーテル化合物であるシガトキシン類の全合成に世界で初めて成功した。これは、環状エーテルが13個も繋がった複雑な分子であるシガトキシンを、それを構成する部分フラグメントを連結していくという画期的で非常に効率のよい合成法を開発したことにより、可能としたものである。さらに同氏は、上記の成果を生物機能を制御する複雑天然有機分子の全合成にも展開し、特異構造をもつテルペン、ペプチド、エンジイン類の全合成に成功している。
 シガトキシン類はヒトの感覚、感情を含めたあらゆる生体機能にかかわる神経生理作用を活性化することが知られる物質である。この合成法の確立は、同様の生理作用を示す多様な構造の誘導体を自由に合成できる可能性を意味し、神経生理作用を研究するための多様なツール(誘導体)の提供に道を拓くことが期待される。

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