日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第5回(平成20年度)日本学術振興会賞受賞者

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古澤 泰治
(フルサワ タイジ)
FURUSAWA Taiji



生年 1963年 出身地 広島県
現職 一橋大学大学院経済学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Economics, Hitotsubashi University)
専門分野 国際経済学
略歴
1987年 一橋大学経済学部卒
1989年 一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了
1994年 博士(経済学)の学位取得(ウィスコンシン大学マディソン校)
1994年 ブランダイス大学 レクチャラー
1995年 福島大学経済学部助教授
1997年 横浜国立大学経済学部助教授
2003年 一橋大学大学院経済学研究科助教授
2005年 一橋大学大学院経済学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「国際政治経済学へのゲーム理論的アプローチ」
(Game Theoretic Approach to International Political Economy)
 古澤泰治氏は、国家間交渉の理論的解明、およびゲーム理論的アプローチによって、通商協定に関するネットワーク形成メカニズムを分析し、自由貿易協定(FTA)や関税同盟(CU)が形成されていく仕組みを明らかにすることで、国際貿易体制の成立に対して新たな知見を獲得してきた。
 FTAのような通商協定を結ぶ地域と地域とがネットワークを形成すると、ネットワークの拡大につれて、国によっては既存の通商協定を破棄する誘因を持つ。それゆえ拡大の過程で協定を長期的に継続する条件を考慮しながらモデルを構築しなければ、長期的な国際貿易の構造を予見することができない。同氏は、この協定の長期的継続性を取り込んだモデルを構築・分析し、貿易交渉のメカニズムを理論的に明らかにした。また、従来3カ国モデルか対称的な国々からなる多数国モデルでしか分析できていなかったFTAの世界的形成過程を、非対称的な多数国というより現実に近い設定のもとで分析し、FTAの世界的安定性に関する条件を理論的に明らかにした。
 同氏は、国家間の交渉における心理的要因を行動経済学の成果を取り入れながら分析する試み等、学術的にも挑戦的な試みを続けており、世界的レベルでの活躍が期待される。

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