日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_藤原徹
藤原 徹
(フジワラ トオル)
FUJIWARA Toru



生年 1964年 出身地 大阪府
現職 東京大学生物生産工学研究センター 准教授
(Associate Professor, Biotechnology Research Center, The University of Tokyo)
専門分野 植物栄養学、植物分子遺伝学、植物生理学
略歴
1987年

東京大学農学部卒

1989年 東京大学大学院農学研究科修士課程修了
1992年 東京大学大学院農学研究科博士課程修了
1992年 博士(農学)の学位取得(東京大学)
1992年 東京大学農学部助手
1997年 東京大学大学院農学生命科学研究科助手
2003年 東京大学生物生産工学研究センター助教授
2007年 東京大学生物生産工学研究センター准教授(現在に至る)

授賞理由
「植物におけるホウ素輸送体の発見」
(Discovery of Boron Transporters from Plants)
 ホウ素が植物の必須元素として認められた1923年以来、その細胞膜を介した輸送は物理的な単純拡散であると信じられていた。これに対し藤原徹氏は、シロイヌナズナを用いて、世界で初めてホウ素の外界から細胞内への吸収と細胞から導管への排出に積極的に関わる輸送体を発見し、細胞膜を介したホウ素の輸送は濃度勾配に逆らって行われることを証明した。
 同氏は、ホウ素の要求量の高まったシロイヌナズナの変異株から原因遺伝子BOR1を同定し、BOR1タンパク質が細胞内のホウ素を濃度勾配に逆らって導管に排出する輸送体であり、根から地上部へホウ素を輸送する際に重要な機能を司ることを明らかにした。また、別の研究から、細胞膜を介した水の輸送に関わるアクアポリンと似たNIP5;1が、根において外界からホウ素を効率的に吸収するために必要な輸送体であることも明らかにした。
 同氏の研究は、他の生物におけるホウ素輸送体の発見につながり、今後もホウ素の生理学研究の発展に貢献することが期待される。さらに、基礎研究のみならず、ホウ素欠乏・過剰土壌における作物生産への応用にまで、研究の発展が期待される。

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