日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_平尾敦
平尾 敦
(ヒラオ アツシ)
HIRAO Atsushi



生年 1963年 出身地 徳島県
現職 金沢大学がん研究所 教授
(Professor, Cancer Research Institute, Kanazawa University)
専門分野 幹細胞生物学
略歴
1988年

自治医科大学医学部卒

1994年 博士(医学)の学位取得(徳島大学)
1995年 日本学術振興会特別研究員-PD
1997年 トロント大学オンタリオがん研究所博士研究員
2001年 熊本大学発生医学研究センター助手
2002年 慶應義塾大学医学部助手
2004年 慶應義塾大学医学部助教授
2005年 金沢大学がん研究所教授(現在に至る)

授賞理由
「造血幹細胞維持メカニズムの解明」
(Molecular Mechanisms for Maintenance of Hematopoietic Stem Cell Pool)
 骨髄に存在する造血幹細胞は、個体の一生にわたって、血液細胞を新生し続ける役割をになう。そのため造血幹細胞は、自身を再生し続ける能力と成熟細胞への分化能の双方を維持しなければならない。
 平尾敦氏は、老化からの回避が幹細胞維持に必要ではないかとの仮説のもと研究を進め、老化に関与するいくつかの因子(ATM, p38, FOXOなど)が幹細胞維持にも必須であることを解明した。またこれらの因子に共通する作用メカニズムに、細胞老化を促進する活性酸素が関わることを見出した。造血幹細胞の維持と酸化ストレスによる老化からの回避メカニズムをリンクさせたアプローチは独創性に富み、一連の研究成果は、幹細胞研究と老化研究という2つの大きな研究分野を結びつけた点で特筆に値する。最近、がん組織中に幹細胞としての性質を有する「がん幹細胞」の存在が明らかになっており、今後がんの発症メカニズムや制御法開発へと結びつく可能性も期待される。

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