日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第4回(平成19年度)日本学術振興会賞受賞者

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菊澤 律子
(キクサワ リツコ)
KIKUSAWA Ritsuko



生年 1967年 出身地 滋賀県
現職 人間文化研究機構国立民族学博物館 准教授
(Associate Professor, National Museum of Ethnology, National Institutes for the Humanities)
専門分野 歴史言語学、記述言語学
略歴
1990年

東京大学文学部卒

1993年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了
1995年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学
1995年 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手
1999年 日本学術振興会海外特別研究員
2000年 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授
2000年 Ph.D.の学位取得(ハワイ大学)
2005年 人間文化研究機構国立民族学博物館助教授
2007年 人間文化研究機構国立民族学博物館准教授(現在に至る)

授賞理由
「オーストロネシア諸語に関する言語文化論的研究」
(Diachronic Studies of Austronesian Languages and Cultures)
 菊澤律子氏は、フィールドワークで収集したデータと歴史言語学的方法論を用いて、文法構造の観点からオーストロネシア祖語の再構とその歴史的変遷過程に関する研究に取り組み、国際的に評価される成果を挙げてきた。
 オーストロネシア語族は1,000を超える言語からなり、その地域は太平洋からマダガスカルに広がっている。この語族には対格型、能格型、分裂型構文の言語が混在しており、このことが、諸言語の文法構造面での相関関係を歴史的に理解することを困難にしてきた。同氏は、オーストロネシア言語史の新層に属する原ポリネシア語と古層に属する「高砂外オーストロネシア祖語」の能格型格標示システムが対応することに注目し、歴史的に両者の中間に位置する原中央オセアニア語等から発達した言語の構文も能格型言語の分化・発展として説明できることを初めて指摘した。同氏はまた、言語学を基礎とする学際的研究にも従事しており、中でも考古学、植物学、文化人類学などの成果を踏まえ、歴史言語学の手法によりタロイモの名称を比較した研究は、栽培植物の伝播経路を解明する先駆的かつ独創的な研究として注目に値する。

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