日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_片桐 秀樹
片桐 秀樹
(カタギリ ヒデキ)
KATAGIRI Hideki



生年 1962年 出身地 大阪府
現職 東北大学大学院医学系研究科 教授
(Professor, Graduate School of Medicine, Tohoku University)
専門分野 糖尿病代謝学
略歴
1987年 東京大学医学部卒
1990年 東京大学医学部附属病院第三内科医員
1997年 博士(医学)の学位取得(東京大学)
2001年 東北大学医学部附属病院助手
2003年 東北大学大学院医学系研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「糖・エネルギー代謝調節における臓器間情報ネットワーク機構の発見」
(Discovery of Novel Inter-organ Communication in Glucose and Energy Homeostasis)
 国民のライフスタイルの欧米化にともなって、肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームの患者が増加し、これら現代病への対処が緊急の課題として問われている。
 片桐秀樹氏は、個体における糖代謝・エネルギー代謝の恒常性を保つ機構として、肝臓や脂肪組織からの神経シグナルが脳に情報を伝え、他の臓器の代謝を調節するという新たなシステムを発見し、「臓器間代謝情報神経ネットワーク」による糖・エネルギー代謝制御という新しい概念を提唱した。
 同氏の研究成果は、インスリンやアディポカインなどの血中因子を中心に考えられていた代謝調節機構に、神経ネットワークによる臓器間相互作用の意義を世界で初めて発見・提唱したきわめて独創的なものである。さらに、「臓器間代謝情報ネットワーク」を標的とすることにより、エネルギー代謝亢進や食欲の抑制を含めた、従来の薬剤と全く違った視点からの新しい治療法の開発につながることが期待される。
 このように、同氏の研究は、代謝分野の新たなフィールドを切り拓くものであり、将来さらなる研究の発展が期待される。

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る