日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_大森 賢治
大森 賢治
(オオモリ ケンジ)
OHMORI Kenji



生年 1962年 出身地 熊本県
現職 自然科学研究機構分子科学研究所 教授
(Professor, Institute for Molecular Science, National Institutes of Natural Sciences)
専門分野 超高速量子動力学、分子分光学
略歴
1987年 東京大学工学部卒
1989年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1992年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
1992年 博士(工学)の学位取得(東京大学)
1992年 東北大学科学計測研究所助手
2001年 東北大学多元物質科学研究所助手
2001年 東北大学多元物質科学研究所助教授
2003年 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所教授
2004年 自然科学研究機構分子科学研究所教授

授賞理由
「アト秒コヒーレント制御法の開発と応用」
(Development of Attosecond Coherent Control and Its Applications)
 大森賢治氏は、自らが開発した「アト秒位相変調器」を用いて2つの光パルスの位相差をアト秒(10-18秒)スケールの精度で決めることによって、分子内の量子状態が干渉する様を自在に制御できることを明瞭に示した。
 同氏は、2つの超短パルスレーザー光を発生させ、それらの間の位相をアト秒の精度で固定することによって、一つ一つの分子の中に発生する原子の波どうしの干渉を制御し、その様を実時間で可視化して捉えることに成功した。
 さらに同氏は、この量子干渉を利用して、分子の波動関数をビットとする情報の書き込みと読み出しが可能であることを、現実の分子系を用いて示した。
 同氏の一連の精密な実験研究は独創的であると同時に、物質の量子状態が持つ干渉性の理解に寄与するものとして、極めて高く評価されている。
 同氏の開拓したアト秒量子干渉制御法は、分子科学のみならず、化学・物理・情報科学・工学にまたがる広い学問領域へ大きな波及効果を持つものであり、新しい研究手段として今後の更なる発展が期待される。

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