日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_大熊 毅
大熊 毅
(オオクマ タケシ)
OHKUMA Takeshi



生年 1962年 出身地 群馬県
現職 北海道大学大学院工学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering, Hokkaido University)
専門分野 有機合成化学
略歴
1985年 慶應義塾大学理工学部卒
1987年 慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了
1988年 日本学術振興会特別研究員-DC
1991年 名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了
1991年 博士(理学)の学位取得(名古屋大学)
1992年 新技術事業団野依分子触媒プロジェクト研究員
1996年 名古屋大学大学院理学研究科助教授
2004年 北海道大学大学院工学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「ケトン類の不斉水素化反応の開発」
(Development of Asymmetric Hydrogenation of Ketones)
 有機合成反応における理想は、收率100%、100対0の選択性である。さらに今日、グリーンケミストリーの立場から高い物質変換効率が求められている。このような社会的要請に対して、有機反応の根幹をなす発見を大熊 毅氏は達成している。
 その基本概念は、触媒存在下単一な化学種を発生させ、これを機能させるという単純明快さにある。なかでもケトン類の還元法の歴史は古く様々な方法が知られているが、生体内における酵素による還元反応は立体選択性や收率が高いことで特に有名である。例えばキシリールBINAP/ルテニウム錯体を使った同氏の水素化法は、選択性に加えて触媒としての高い回転効率も達成され、理想的な反応である。ケトンの還元により得られるアルコールには医薬品や香料として有用なものが数多く存在し、合理的でかつグリーンな反応が特に求められていた。
 効率よく設計されたキラルな触媒と水素を用いる同氏の水素化方法は、学術的に高い評価を受けるとともに利便的な方法として物質生産の現場で広く活用されている。

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