日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_近藤 孝弘
近藤 孝弘
(コンドウ タカヒロ)
KONDO Takahiro



生年 1963年 出身地 栃木県
現職 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 助教授
(Associate Professor, Graduate School of Education and Human Development, Nagoya University)
専門分野 比較教育学
略歴
1986年 東京大学教養学部卒
1988年 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了
1991年 日本学術振興会特別研究員-DC
1992年 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位修得退学
1992年 東京学芸大学海外子女教育センター講師
1993年 博士(教育学)の学位取得(東京大学)
1996年 名古屋大学教育学部助教授
2000年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科助教授(現在に至る)

授賞理由
「国際関係における歴史教育政策に関する比較研究」
(Comparative Study on History Education Policies as Factors of International Relations)
 近藤孝弘氏は、ドイツを中心とした二国間、多国間の歴史教科書対話(相互批判)の積み重ねを通して、閉ざされた国民史が、より普遍性をもつ開放的な歴史像へと変化してゆく過程を明らかにしてきた。公教育で教えられる歴史像は、政府(国家)が対内的・対外的に示す歴史認識のあり方と不可分であるとともに、その歴史認識は国家間・国民間の関係に大きな影響を及ぼす。この事実を踏まえ同氏は、国家が持つ歴史認識のあり方とその変容プロセスを「歴史政策」という概念で対象化し、ドイツ・フランス間、ドイツ・ポーランド間の歴史教科書の共同検討作業とその到達点や、ヨーロッパにおける多国間教科書対話とEU成立後の「ヨーロッパ史」教科書作成の試みを実証的に検討し、その意義と課題を明らかにしてきた。その研究で導入された「歴史政策」という概念は、歴史認識のあり方が国家間・国民間の関係のなかで一層強く問われる今日の国際状況において、政治学をはじめ社会科学全体に対する重要な提起であり、今後一層の活躍が期待される。

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