日本学術振興会賞

過去の受賞者について

第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_梶井 厚志
梶井 厚志
(カジイ アツシ)
KAJII Atsushi



生年 1963年 出身地 広島県
現職 京都大学経済研究所 教授
(Professor, Institute of Economic Research, Kyoto University)
専門分野 ミクロ経済学
略歴
1986年 一橋大学経済学部卒
1991年 ハーバード大学大学院経済学研究科博士課程修了
1991年 博士(経済学)の学位取得(ハーバード大学)
1991年 ペンシルバニア大学経済学部助教授
1996年 筑波大学社会工学系助教授
2002年 大阪大学社会経済研究所教授
2003年 京都大学経済研究所教授(現在に至る)

授賞理由
「不確実性と情報のミクロ経済理論」
(Microeconomic Theory of Uncertainty and Information)
 将来に生起する出来事が確実な状況では、競争的な市場における財・サービスの取引がもたらす均衡が効率的であることはよく知られているが、不確実な状況における均衡については、多くが未解明である。梶井厚志氏はこの分野において世界的な研究業績をあげた、わが国を代表するミクロ経済学における理論経済学者である。
 同氏はまず、すべての状態について市場取引が行われるとは限らない場合に、政府による財の再配分を考慮することによって均衡配分が効率的になるケースが存在することを示した。また、このような状態では経済活動とは無関係な変数に依存して均衡が生じる場合が存在するが、同氏はその均衡が生起する頻度を研究し、その防止には金融派生商品であるオプションが有用であることを示した。
 ゲーム理論においても、他の市場取引者の情報が不完全な場合に生起する均衡の性質、とりわけ均衡の頑健性に関する独創的研究は大きく評価されている。
 不確実な状況においては人々の持つ情報が経済行動に大きな影響をもたらすが、情報を開示する速度についての人々の選好を考慮することによって、不確実性下における意思決定問題の理論研究の礎たる業績をあげている。

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