日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_松本 正幸
松本 正幸
(マツモト マサユキ)
MATSUMOTO Masayuki



生年 1976年 出身地 滋賀県
現職 筑波大学医学医療系 教授
(Professor, Faculty of Medicine, University of Tsukuba)
専門分野 システム神経科学
略歴

1999年
2001年
2005年
2005年
2005年
2005年
2009年
2012年

横浜国立大学工学部卒
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了
総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(総合研究大学院大学)
自然科学研究機構生理学研究所研究員
米国国立衛生研究所国立眼研究所研究員
京都大学霊長類研究所助教
筑波大学医学医療系教授(現在に至る)

授賞理由
「ドーパミン神経の多様性:報酬シグナルと認知・行動シグナルの解明」
(Diversity of Dopamine Signals: Elucidation of Reward Signal and Cognitive-behavioral Signal)

  従来、ドーパミンニューロンから伝達される神経シグナルは、報酬シグナルが関わると考えられていた。松本正幸氏は、霊長類動物モデルを使ったドーパミンシグナルの多様性とその神経回路基盤に関する研究において、「報酬シグナル」と「認知・行動シグナル」の二経路が存在することを明らかにした。この成果は、ドーパミンが報酬系に関わる神経伝達物質であるという定説の修正に迫るものである。パーキンソン病などドーパミン神経系の異常では、報酬シグナルだけではなく、認知機能や運動機能障害など報酬系とは関連のない症状を誘発するが、そのメカニズムの新たな解明にも繋がった。また、報酬シグナルに関しては、その起源として外側手綱核の重要性を発見している。この研究成果に基づき、ドイツのグループは、うつ病の治療に外側手綱核を新規ターゲットとして脳深部刺激療法を実施している。以上のように松本氏は、「前頭前野機能への神経特異的なドーパミンの役割」や「2つのドーパミン神経系が支える報酬と罰に基づく学習の神経基盤」を解明し、神経学の発展に貢献している。

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る