日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_前田 和彦
林 克法
(ワカバヤシ カツノリ)
WAKABAYASHI Katsunori



生年 1972年 出身地 奈良県
現職 関西学院大学理工学部 教授
(Professor, School of Science and Technology, Kwansei Gakuin University)
専門分野 理論ナノサイエンス
略歴

1995年
1997年
2000年
2000年
2000年
2000年
2001年
2007年
2009年
2015年

筑波大学第三学群基礎工学類卒
日本学術振興会特別研究員-DC
筑波大学大学院博士課程工学研究科修了(五年一貫制)
博士(工学)の学位取得(筑波大学)
アトムテクノロジー研究体研究員
広島大学工学部電子物性工学大講座助手
広島大学大学院先端物質科学研究科助手
広島大学大学院先端物質科学研究科助教
物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点独立研究者
関西学院大学理工学部教授(現在に至る)

授賞理由
「グラフェンの電子物性におけるナノスケール効果に関する理論」
(Theory of Nanoscale Effects on Electronic Properties of Graphene)

  林克法氏は、炭素の2次元物質であるグラフェンが実際に作製される10年近く前から、ナノスケールグラフェンの物理的特徴について先駆的な理論研究を行ってきた。
  ナノ構造のグラフェンの端に現れる新奇なエッジ状態のグラフェン形状依存性に着目した大学院生時代の研究が出発点にあり、まずリボン状グラフェンの端に平坦なバンドが出現すること、磁性が誘起されること、さらに電子輸送特性が大きく変化することを指摘した。これらの研究は、21世紀に入り実際にナノグラフェンおよびナノリボンが作製できるようになり、そのナノスケールの物性が新たに着目されたことから、高い評価を集めている。成果は物性物理学の新奇な現象の発見にとどまらず、材料科学にも新たな視点を提示しており、幅広い分野に影響を与えてきた。林氏は理論的研究を進めるに当たり、積極的に実験グループとの共同研究を展開しており、そのことが大きな成果に結びついた。
  以上のように、林氏の研究は、ナノ物性およびナノテクノロジーに大きな貢献をなした。

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