日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_正岡 重行
正岡 重行
(マサオカ シゲユキ)
MASAOKA Shigeyuki



生年 1977年 出身地 大阪府
現職 自然科学研究機構分子科学研究所生命・錯体分子科学研究領域 准教授
(Associate Professor, Life and Coordination-Complex Molecular Science, Institute for Molecular Science, National Institutes of Natural Sciences)
専門分野 錯体化学
略歴

1999年
2001年
2004年
2004年
2004年
2005年
2007年
2009年
2011年
2011年
2013年

同志社大学工学部卒
京都大学大学院工学研究科修士課程修了
京都大学大学院工学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(京都大学)
リバプール大学化学科博士研究員
九州大学大学院理学研究院助手
九州大学大学院理学研究院助教
科学技術振興機構さきがけ「光エネルギーと物質交換」研究員
分子科学研究所生命・錯体分子科学研究領域准教授(現在に至る)
総合研究大学院大学物理科学研究科准教授(兼任)
名古屋大学大学院理学研究科客員准教授(兼任)

授賞理由
「金属錯体を触媒とする酸素発生反応」
(Water Oxidation Catalyzed by Transition Metal Complexes)

  水を酸化して高効率に酸素を発生する触媒の開発は、環境化学やエネルギー化学における重要な研究課題の一つである。従来、水からの酸素発生反応は、多電子の授受が可能な二核以上の多核錯体が格段に有利と考えられており、高い活性と耐久性を有する人工触媒の開発は困難であった。正岡重行氏は、これまで活性がないと考えられてきたルテニウム単核錯体が高活性、高耐久性をもつ酸素発生触媒となることを実証し、長年の定説を覆した。さらに、安価で豊富に存在するものの、活性が低いとされてきた鉄を用い、従来触媒の1000倍以上の高い活性を有する酸素発生触媒を開発した。いずれの成果も、金属錯体触媒分野にブレークスルーをもたらしたものであり、その学術的価値は極めて高い。
  このように、正岡氏の高活性金属錯体触媒の開発に関する研究は独創的であり、錯体化学、触媒化学等の分野に大きな貢献をなした。

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