日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_千葉 大地
千葉 大地
(チバ ダイチ)
CHIBA Daichi



生年 1978年 出身地 北海道
現職 東京大学大学院工学系研究科 准教授
(Associate professor, Department of Applied Physics, The University of Tokyo)
専門分野 スピントロニクス
略歴

2000年
2001年
2002年
2004年
2004年
2004年
2008年
2009年
2010年
2012年
2013年

東北大学工学部卒
東北大学大学院工学研究科博士前期課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了
博士(工学)の学位取得(東北大学)
科学技術振興機構ERATO研究員
京都大学化学研究所特任助教
京都大学化学研究所助教
科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ研究者(兼任)
京都大学化学研究所准教授
東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻准教授(現在に至る)

授賞理由
「磁性の電気的制御に関する研究」
(Study on Electrical Control of Magnetism)

  物質の性質を外場でコントロールすることは材料科学分野における最重要課題の一つである。しかしながら、「一度作った磁性体の性質は後から変えられない」と言われるように、磁性体の性質の制御はこれまで困難とされてきた。千葉大地氏と共同研究者は、温度を変えることなく、電界の制御だけで磁性体の磁力をスイッチすること(電界誘起強磁性相転移)に世界で初めて成功し、従来の常識を覆した。また、将来の磁気記録の書き込みや電力の飛躍的低減を可能にする磁化方向操作の原理を実証した。さらに、世の中で広く用いられている強磁性金属であるコバルトのキュリー温度が、電界により室温を挟んで100℃も変化するという特異な物性を発見した。これは、常温では磁石であるコバルトの磁石としての性質を、電界を用いて完全に消失させたり復元させることが、室温下で自在に制御可能になったことを示している。この成果は、金属スピントロニクスのデバイス応用の可能性を大きく拓いた成果として高く評価される。

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