日本学術振興会賞

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第13回(平成28年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_松宮 一道
松宮 一道
(マツミヤ カズミチ)
MATSUMIYA Kazumichi



生年 1972年 出身地 大阪府
現職 東北大学電気通信研究所 准教授
(Associate Professor, Research Institute of Electrical Communication, Tohoku University)
専門分野 心理物理学
略歴

1995年
1997年
2000年
2000年
2000年
2002年
2004年
2005年
2007年
2014年

大阪府立大学工学部卒
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了
東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(東京工業大学)
ヨーク大学視覚研究所博士研究員
東京工業大学大学院工学研究科像情報工学研究施設研究機関研究員
国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所専任研究員
東北大学電気通信研究所助手
東北大学電気通信研究所助教
東北大学電気通信研究所准教授(現在に至る)

授賞理由
「視知覚と行動の相互作用に関する実験心理学的研究」
(Psychophysical Study on Interactions between Visual Perception and Action)

  視知覚をはじめとする感覚知覚処理は、従来、得られる刺激にもとづき外界を認識するという受動的な処理過程だと考えられてきた。これに対し松宮一道氏は、バーチャルリアリティ技術を用いた実験心理学的研究手法を開発し、手の自己所有感や顔表情認知に関する研究を行い、視知覚と身体行動の相互作用に関する新しい独創的知見を得た。
  第一の成果は、手の周囲の空間に特化した知覚機構が脳内に存在することを示したことである。物や道具を手で操作する際、手に対して対象物がどこにあるかを理解するには、身体周囲の空間知覚が必要である。松宮氏は運動残効という心理現象を利用し、対象を動かしている手が自分の身体の一部であるという身体性自己意識と、手の周囲の空間知覚との関係を調べ、対象が手に対して同じ位置に呈示されていれば、網膜上での位置が一致しなくても運動残効が生じることを示した。第二の成果は、顔表情の触覚順応から顔表情の視覚残効が生じることの発見である。
  視知覚処理に能動性と身体性を考慮することの重要性を示した松宮氏の研究は、ヒトの感覚知覚処理過程の理解に大きく貢献した。

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