日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_長谷 耕二
長谷 耕二
(ハセ コウジ)
HASE Koji



生年 1970年 出身地 北海道
現職 慶應義塾大学薬学部 教授
(Professor, Faculty of Pharmacy, Keio University)
専門分野 免疫学、エピジェネティクス学
略歴

1995年
1995年
1995年
1999年
2000年
2002年
2004年
2010年
2012年
2014年

富山医科薬科大学薬学部卒
富山医科薬科大学大学院薬学研究科修士課程修了
山之内製薬株式会社研究員
博士(薬学)の学位取得(富山医科薬科大学)
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部博士研究員
金沢大学がん研究所助手
理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センター研究員
科学技術振興機構さきがけ研究員兼任
東京大学医科学研究所特任教授
慶應義塾大学薬学部教授(現在に至る)

授賞理由
「粘膜面における免疫制御機構の解明」
(The Regulatory Mechanism of Mucosal Immune Response)

  生体で最大の免疫器官である腸管粘膜は、侵入する微生物や食餌性抗原に対して、免疫応答と免疫寛容を調節することで恒常性を保っている。長谷耕二氏は、バリア学という観点から研究を展開し、腸管粘膜に存在する特殊な上皮細胞である M細胞を回収する技術を開発し、ゲノムワイドな遺伝子発現解析により、M細胞特有の分子を同定し、M細胞の抗原取込みの分子機構および腸管粘膜免疫誘導における生物学的重要性の発見に寄与した。さらに、長谷氏は、腸内細菌群の代謝産物である酪酸が、エピゲノム修飾を介して制御性 T 細胞を誘導することを見いだし、腸内細菌による免疫制御機構を世界に先駆けて明らかにした。また、大腸の制御性T細胞の機能をサポートする DNAメチル化制御分子Uhrf1を新規に同定した。「腸内細菌が宿主側の遺伝子発現をエピゲノムレベルで調節し免疫を制御する」という長谷氏の提唱した新しいパラダイムは、国内外で高く評価され、腸内細菌と宿主細胞、腸内細菌と種々の疾患との関連研究が世界に広がることになった。長谷氏の独創性とこれまでの業績、医学分野への貢献は高く評価でき、粘膜免疫研究において世界を牽引する研究者になると期待できる。

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