日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_西村 幸男
西村 幸男
(ニシムラ ユキオ)
NISHIMURA Yukio



生年 1972年 出身地 青森県
現職 自然科学研究機構生理学研究所 准教授
(Associate Professor, National Institute for Physiological Sciences, National Institutes of Natural Sciences)
専門分野 神経生理学
略歴

1995年
1998年
2003年
2003年
2003年
2003年
2007年
2009年
2011年
2011年

日本大学文理学部卒
横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程修了
千葉大学大学院医学研究科博士課程修了
博士(医学)の学位取得(千葉大学)
生理学研究所研究員
科学技術振興機構研究員
ワシントン大学訪問研究員
科学技術振興機構さきがけ専任研究者
科学技術振興機構さきがけ研究者兼任
自然科学研究機構生理学研究所准教授(現在に至る)

授賞理由
「人工神経接続を用いた脳神経損傷の機能再建・機能回復に関する治療法の開発」
(Development of Neuroprosthesis and Understanding Neural Mechanism of Functional Recovery after Neural Damage)

  従来、脊髄損傷や脳卒中などの中枢神経系障害からの機能回復は難しいとされている。西村幸男氏は米国留学から帰国後早期に研究室を立ち上げ、霊長類を用いてBrain Computer Interface (BCI)技術を応用した「人工神経接続」を利用し、脊髄損傷により失った運動機能の再獲得を目指した独自の神経補綴法を開発した。大脳皮質運動野の神経細胞活動をトリガーにして損傷部位を迂回して残存している脊髄を電気刺激する人工的な皮質脊髄路を形成する人工神経接続は、今後脳損傷などの神経損傷疾患の治療の可能性につながる画期的な発明である。脊髄損傷患者での随意歩行の機能再建にも成功を収めており、人工神経接続という革新的な治療法は臨床応用可能な段階に来ている。さらに、意欲を司る脳内中枢の活動が運動機能回復に深く関与していることも明らかにし、脳脊髄損傷後のリハビリテーションに心理的なサポートの重要性を提案している。
  このような、失われた脳機能の回復法の構築において独創性の高い西村氏の研究は、今後リハビリテーション法・神経損傷に対する革新的な治療法の確立に寄与すると大いに期待される。

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