日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_北野 潤
北野 潤
(キタノ ジュン)
Kitano Jun



生年 1972年 出身地 兵庫県
現職 情報・システム研究機構国立遺伝学研究所集団遺伝研究系 教授
(Professor, Department of Population Genetics, National Institute of Genetics, Research Organization of Information and systems)
専門分野 進化遺伝学
略歴

1996年
2000年
2002年
2001年
2003年
2009年
2011年
2015年

京都大学医学部卒
京都大学大学院医学研究科博士課程単位取得退学
博士(医学)の学位取得(京都大学)
京都大学大学院生命科学研究科助手
フレッドハッチンソン癌研究所研究員
東北大学生命科学研究科助教
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所新分野創造センター特任准教授
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所集団遺伝研究系教授(現在に至る)

授賞理由
「トゲウオ科魚類における種分化と適応進化の遺伝機構の研究」
(Genetic Mechanisms of Speciation and Adaptive Evolution in Sticklebacks)

  種が分化して新しい種ができる種分化や環境に適応して進化する適応進化のメカニズムの解明は生物学の大きな課題だが、歴史的な変化を対象とするだけに、当該の分子機構を立証するのは極めて困難である。北野潤氏は、魚類の種分化と適応進化のメカニズムを分子遺伝学的な手法により解明する研究領域を新たに築いた。北野氏は求愛行動など種分化に関わる遺伝子群が性染色体に移動して局在することがイトヨ類が種分化する引金になったことを示した。さらに、天敵防御に重要な鱗板の数が、単一遺伝子の効果で湖水の透明度の変化に対応して数十年で適応進化したことを明らかにした。イトヨが海域から淡水域へ生息地を変える場合には、甲状腺機能を制御する遺伝子の変化により代謝を抑えて適応進化したことを示した。このように北野氏は、野生生物の生態・行動・生理的形質の地道な記載的研究から種分化や適応に関わる問題を抽出し、分子機構を明らかにしていく点で、生態学、進化生物学の学問領域を飛躍的に進展させることが期待される。

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