日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_五十嵐 圭日子
五十嵐 圭日子
(イガラシ キヨヒコ)
IGARASHI Kiyohiko



生年 1971年 出身地 山口県
現職 東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Agricultural and Life Science, The University of Tokyo)
専門分野 バイオマス生物工学
略歴

1994年
1996年
1998年
1999年
1999年
2000年
2002年
2007年
2009年

東京大学農学部卒
東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(1999年からPD)
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了
博士(農学)の学位取得(東京大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
東京大学大学院農学生命科学研究科助手
東京大学大学院農学生命科学研究科助教
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「セルロース系バイオマスの酵素分解における分子機構の解明」
(Elucidation of Molecular Mechanisms in the Enzymatic Degradation of Cellulosic Biomass)

  未利用のバイオマスを原料としてバイオ燃料や化成品原料などを生産するための技術は、持続的かつ循環型社会の基盤を構築するために将来的に必須となる。バイオマスの主成分であるセルロースをセルロース分解酵素(セルラーゼ)によって物質変換するプロセスの実用化が期待されているが、これまでは分解反応の遅さがその阻害要因となっていた。
  五十嵐圭日子氏は、セルラーゼの分解反応の遅さが酵素そのものの性質によるのではなく、酵素分子がセルロース表面で交通渋滞のように並んでしまう状態が、セルロース分解の遅さの原因であることを、生化学的手法および高速原子間力顕微鏡を用いて実証した。そして、セルロースを前処理することによってその結晶の構造を変化させると、酵素の渋滞が起こりにくくなり、分解反応が効率化されることを見出した。
  五十嵐氏は、セルロース系バイオマスの酵素分解を基点にしながら、基礎から応用まで創造性と独創性の高い研究を展開しており、今後の更なる研究の発展と研究者としての成長が期待される。

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る