日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_前田 理
前田 理
(マエダ サトシ)
MAEDA Satoshi



生年 1979年 出身地 長野県
現職 北海道大学大学院理学研究院 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Science, Hokkaido University)
専門分野 理論化学
略歴

2002年
2004年
2004年
2007年
2007年
2007年
2008年
2010年
2012年
2014年

東北大学理学部卒
東北大学大学院理学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東北大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(東北大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
エモリー大学化学科訪問研究員
京都大学白眉センター特定助教
北海道大学大学院理学研究院助教
北海道大学大学院理学研究院准教授(現在に至る)

授賞理由
「化学反応経路を自動探索するための理論手法の開発」
(Development of Theoretical Approaches for Automated Exploration of Chemical Reaction Pathways)

  化学反応の経路を量子化学計算に基づき自動探索する手法の開発は、化学反応の機構解明に役立つだけでなく、実験に先立った生成物の予測や新しい反応、触媒の設計、新物質や材料の創出にもつながり、理論化学における重要な課題の一つである。前田理氏は、化学反応の遷移状態構造を網羅的に探索する独自の理論を構築し、これまで不可能とされていた任意の多原子分子反応の反応経路を自動的に探索できるプログラムの開発に成功し、この有用性を大気化学で重要な小分子の光化学反応の機構解明や、多成分連結反応における新機構の発見などにより実証している。また、前田氏の手法による化学反応予測は、気相や液相反応だけでなく、固体表面や金属錯体の光反応と、化学反応全般へと汎用化が進められ、将来的には、人工知能などとの組み合わせにより、反応設計や物質探索ロボットの構築など、さらなる発展も見込まれている。
  このように、前田氏は極めて独創性の高い汎用性のある理論計算手法を創出し、理論化学だけでなく合成化学や物質化学全般に大きなインパクトを与える研究を展開しており、今後の理論化学を先導する研究者の一人として、さらなる活躍が期待される。

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