日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_林 正人
林 正人
(ハヤシ マサヒト)
HAYASHI Masahito



生年 1971年 出身地 大阪府
現職 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Mathematics, Nagoya University)
専門分野 情報理論、量子情報理論
略歴

1994年
1996年
1998年
1999年
1999年
2000年
2003年
2006年
2007年
2012年

京都大学理学部卒
京都大学大学院理学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(1999年からPD) 
京都大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(京都大学)
理化学研究所脳科学総合研究センター研究員
科学技術振興事業団今井量子計算機構プロジェクト技術参事
科学技術振興機構量子情報システムアーキテクチャグループリーダー
東北大学大学院情報科学研究科准教授
名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「有限符号長の情報理論及び量子情報理論の研究」
(Information Theory and Quantum Information Theory for Finite-Coding-Length)

  林正人氏は、情報理論の分野において、符号長の有限性を考慮した厳密な情報理論の構築や、量子情報理論における符号の有限性と光源の不完全性を考慮した新しい安全性評価技術の開発などで顕著な研究成果を上げている。
  1940年代に提示されたシャノンの理論は、データを変換する方法(符号化)に対して効率の限界を示した画期的なものであるが、現実に用いられる有限長かつ誤りを含む符号の性能限界を正確に与えることができなかった。林氏は、情報スペクトル理論とよばれる方法を駆使し、符号長の有限性と誤り率を考慮した体系的な情報理論を世界で初めて構築した。
  さらに、次世代の秘匿通信システムとして期待される量子通信(従来の電磁気学と光学に加えて量子力学までを含めて拡張した通信理論や暗号理論に基づく新しい通信技術)へ有限符号長理論を拡張することにも成功し、これにより光源の不完全性を考慮した量子暗号システムの厳密な安全性評価が可能になった。
  以上のとおり、林氏は、理想化された情報理論と現実の情報通信の間を埋めるという画期的な成果を上げており、今後の更なる活躍が期待される。

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