日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_植村 卓史
植村 卓史
(ウエムラ タカシ)
UEMURA Takashi



生年 1974年 出身地 奈良県
現職 京都大学大学院工学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)
専門分野 錯体化学、高分子化学、ナノ空間材料
略歴

1997年
1999年
2001年
2002年
2002年
2002年
2007年
2010年

京都大学工学部卒
京都大学大学院工学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(2002年からPD)
京都大学大学院工学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(京都大学)
京都大学大学院工学研究科助手
京都大学大学院工学研究科助教
京都大学大学院工学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「ナノ空間を利用した精密重合法の開発と特異な物性発現」
(Creation of Functional Polymers Using Coordination Nanospaces)

  高分子の構造を精密に制御可能な合成法の開発は、われわれの生活を豊かにする新しい高分子材料の創出にもつながり、高分子化学や材料化学における大きな研究課題の一つである。植村卓史氏は、生体高分子がつかさどるナノ空間での生体反応の仕組みに学び、金属イオンと配位子を精巧に組み合わせることにより、独自のナノサイズの反応容器を構築した。この反応容器の中で種々のモノマーを重合することで、これまでの合成法では困難であった、立体規則性や反応位置の制御、配向制御された高分子を合成することに成功した。さらに、ナノ空間の反応容器に拘束された高分子がバルク状態とは大きく異なる物性を示すことを見出すとともに、光導電性の飛躍的な向上やガスセンサーへの応用にも成功している。
  このように、植村氏の研究の着眼点は非常に独創的で、材料科学全般に大きな波及効果をもたらす研究を展開している。錯体化学や高分子化学を先導し、さらに新たな分野を開拓しうる研究者として、今後の発展、貢献が期待されている。

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